【認知的不協和理論】日本型ファシズムの成立【心理的メカニズム】ーー⑦日本型ファシズムの成立

大日本帝国軍国主義全体主義ファシズム)の正当化ーー「鬼畜米英」から「対米従属」への変節・寝返り

大日本帝国』の成立

軍備を増強し、批判者を弾圧・粛清し、外国を侵略する国は、「敵国が侵略しようとしている。これは国を守る自衛のための戦争だ。相手国が悪い。我国は被害者だ。批判者は我国を陥れようとしているスパイだ」と常に誰かを攻撃することで、自分の行動(権力支配・既得権益)を正当化しようとする。

帝政ロシア復活 上海協力機構 国際連盟脱退 大東亜共栄圏建設
自分の行動を正当化し、自国の支配体制を強化するために、『仮想敵』を作り出す。『陰謀論』『歴史修正主義』は自分の支配体制を正当化するために生まれる。敵国の脅威を煽ることで、支配体制・独裁体制・既得権益を強固なものにしようとする。

それは現在のロシア・中国・北朝鮮イスラエルに限らない。

 

例えば、戦前の日本で欧米列強によるアジア侵略に対する不安・恐怖・劣等感の中で、その脅威に対抗するために富国強兵のスローガンを掲げ、国内の産業財政教育制度を整備し、軍事力を強化し、中央集権国家体制を確立していった。

富国強兵政策。欧米列強のアジア侵略に対抗するために、中央集権国家体制を確立していった。

と同時に、対外的には資源・領土・利権を求めて大陸に侵略・植民地化していく中で 、『皇国史観』(選民思想)に基づく『忠君愛国』教育を推進し、「日本は神の国。優れた民族」「外国人は野蛮な劣等民族」などのプロパガンダで差別や憎悪を煽り、洗脳し、全体主義軍国主義帝国主義体制を整えていく。

「忠君愛国」教育と、大日本帝国の『アジア侵略』
不安・恐怖・劣等感の中で、行動を抑制することができず、撤退することができず、破滅へと突き進む。【依存の悪循環(負のスパイラル】

そして、その『軍部・政治家・財閥』のトライアングル(軍部独裁体制)の中で、国民はただの1つの『使い捨ての消耗品』となり、次第にエスカレートし、日中戦争に突入し、新聞が戦争を煽り、戦争に疑問を呈し、全体を客観的に分析し、冷静に判断できる人や、政府に批判的な人を次々と弾圧・粛清していく。

その『依存の悪循環(負のスパイラル)』の中で、もはや誰も止める人がいなくなり、欲望の暴走・膨張の抑制が効かなくなり、嘘に嘘を積み重ね、後戻りすることができなくなり、ついには欧米との利害衝突の中で太平洋戦争へと突入する。

そこではその自分の権力支配を正当化するために「欧米は日本を侵略し、蹂躙しようとしている(鬼畜米英)」という被害妄想のもと、「欧米列強から東アジアを解放する」という名目で『自存自衛・大東亜共栄圏建設・八紘一宇』のスローガンを掲げ、その行動(侵略戦争)を正当化しようとした。

戦争(軍部独裁体制)を正当化するためのプロパガンダ

その『依存の悪循環(負のスパイラル)』の中で、“冷静な判断力・想像力”が麻痺してしまい、“人間としての尊厳・共感能力”が失われ、特攻や玉砕やインパールや捕虜·住民虐殺などを次々と行う。そこでは決して自分の誤り・失敗を認めない。反省し、撤退することができない。

依存の悪循環(負のスパイラル)の中で、自分の行動を正当化しようとするあまり、客観的・俯瞰的視点が失われてしまい、行動を抑制することができない。

つまり、それは国家・権力者と同一化し、他者・弱者・少数者・批判者に強制・支配することで、自分の中の不安・恐怖・劣等感・不全感を解消するための“依存行動(依存症)”にすぎない。

「“国家・天皇・教祖・組織・企業のため”という名目で、ただ自分に服従させる。強制する。捕虜や住民を虐殺する(させる)、部下を特攻(死)に追いやることで組織を一体化させ、支配欲を満たし、安心感・満足感・優越感・万能感を得る」ことにある。

だから指揮官は部下に命令するだけで、自ら進んで死にに行くことはない。

2chanのコピペ。

自分は安全な所でのうのうと暮らし、その行動を「国を守るためで仕方がなかった。それは決して私利私欲のためではなかった」と自己正当化し、自分のしたことを反省し、責任を取ることはない。

そして敗戦後も、日本自ら自分達がやった行動を反省することもなく、なぜたくさんの犠牲者を出してしまったのかという根本原因を究明し、事実を解明し、指導者の戦争責任を追及することなく、米ソを中心とした『東西冷戦構造』の中にそのまま組み込まれ、それまで「鬼畜米英」を叫び、多くの人間を死に追いやった同じ人達がそのまま「対米従属」に変節し、寝返った。

「鬼畜米英」から「対米従属」への変節・寝返り。支配体制の正当化。
「国・天皇の為に命を捧げろ」から、「国・米国の為に命を捧げろ」へ。
それを正当化するために仮想敵を作り出し、反対者を排除していく。

それは不安・恐怖・劣等感の中で、国家・強者(米国)に同一化することで、安心しようとする『心理的カニズム』が働いている。そして、その行動を正当化するために、常に『仮想敵』を作り出し、人々の不安・恐怖・憎悪を煽ろうとする。

保守派の変節・寝返り。ーー「皇国史観・鬼畜米英」から「対米従属・反共主義」へ。

人は、戦争・災害・疫病・貧困・虐待などのストレスに曝され続けると脳の神経伝達物質のバランスが崩れ、感情・欲望・行動を抑制することが困難になる。そしてストレスを軽減しようとする防衛機制が働き、攻撃的になり、保守的になりやすくなる。

抑制機能が低下し、不安・恐怖が強まるに連れ、何か大きなもの、強いものに縋ろうとする。それは神・宗教・思想・イデオロギーだったり、アイドル・スポーツ・モノ・金だったりして、それに傾倒し、熱中し、心酔し、依存することで安心感・満足感を得ようとしているのである。

それ故に権力者・独裁者は、「敵国が我国を攻撃しようとしている。批判者は我国を貶めようとしている敵国のスパイだ」と不安・恐怖・憎悪を煽ることで自分の権力支配体制・既得権益を正当化・絶対化しようとする。

不安・恐怖・憎悪を煽ることで支配体制を絶対化する。

しかし、それは一方で、それに依存し過ぎると周りがよく見えなくなる。物事を客観的・俯瞰的・多角的に見れなくなってしまう。反対の立場になって考えられなくなってしまう。1つの価値観に凝り固まってしまい、それを正当化しようとする余り、その行動を他者から批判されたり、注意されたりすると激しく攻撃するようになってしまう。

そこでは科学的・論理的思考が麻痺してしまい、デマや陰謀論に騙されやすくなってしまう。自分に都合の良いことばかり執着し、都合の悪いことは無視する。否認する。見えなくなる。捏造する。嘘をつく。そして、最後には自分を正当化するために他者を誹謗中傷する。

そして、それは緊急事態・有事・災害や不正汚職・スキャンダルのときの対応の遅れとなって表れる。

窮地に陥ったときにパニックに陥り、今何が一番大事か判断し、何をすべきか臨機応変な対応ができない。どうしたら問題を解決できるかを考えられない。自分の保身にばかり拘り、被害者・被災者・国民の立場に立って素早く行動に移すことができない。自分の行動を反省し、改善できない。

 

ネトウヨ・カルトは「特攻は犬死だ。なんの意味もなかった」と言うと激昂する。そこでは大局的な視点で物事を捉えることができない。失敗を失敗と認識し、反省できなければ発展・進歩することはできない。

また「ゆとり教育ジェンダーフリー性教育、選択的夫婦別姓LGBT法、教育格差是正、差別撤廃、ヘイト規制、死刑廃止など」の主張に対して激しく抵抗する。それは不安・恐怖・劣等感・不全感の中で、『権力支配体制・学歴社会・男尊女卑・家父長制など』に依存し過ぎているから、その今まで信じて生きてきた支配体制・既得権益・依存行動が否定されるのが怖いからに他ならない。

依存を正当化しようとするあまり、批判されると攻撃的になる。
「自分たちは正しい。反対者は間違っている、売国奴共産主義者

それはネトウヨ・カルトが国家・権力者・教祖に同一化・隷属・服従することで、安心感・満足感・快感(ドーパミン)を得ようとしているから、それを正当化するために、それを否定しようとする意見に対して「自分を攻撃しようとしている。日本を貶めようとしている。日本人ヘイトだ!」と怒り出す。(それは依存症と同じ。自分の行動を否定されると激昂する。自分が病気だと認識できない)

つまり保守派は、「国家に服従・隷属する」ことを正当化するために、常に『仮想敵』を作り、不安・恐怖を煽ることで、自分の支配体制・既得権益を正当化しようとしているのである。

戦後「支配体制・既得権益の正当化」と、『歴史修正主義』という【神話】

戦前は、欧米列強のアジア侵略による脅威に対する不安・恐怖・劣等感の中で、自分たちの支配体制・既得権益(藩閥政治→軍部独裁体制)を正当化し、強化していった。

皇国史観・軍部独裁体制 支配体制を正当化するために、不安・恐怖を煽る。

しかし、そこで『依存の悪循環(負のスパイラル)』に陥り、自分の欲望(支配欲・被害妄想)の暴走を抑制することができず、太平洋戦争(真珠湾攻撃)に踏み切り、破滅する。

そして日本はポツダム宣言を受託し、アメリカ占領支配のもとで『軍部・政治家・財閥』の支配層(軍部独裁体制)を解体し、民主化を図ろうとするも、その後の『朝鮮戦争』から『東西冷戦』へと移行する過程で、アメリ軍産複合体支配体制の中に組み入れられてしまい、アメリカ主導のもとで新しい支配体制が形作られた。

政官財の癒着の構図。
支配体制・既得権益を強化するために不安・恐怖を煽る。そこで『依存の悪循環(負のスパイラル)』に陥り、止めることができなくなる。
自民党独裁体制。

そこでは「反共産主義」のプロパガンダのもと、一度は解体しようとした戦前の『軍部・政治家・財閥』の支配体制(組織)が、そのまま『自民党・官僚・財界』に再生・移行されてしまった。

権力支配を正当化するために敵をつくる。
①.国家権力は支配体制を保つために、仮想敵を作り、不安・恐怖を煽り、戦争を仕掛ける。
②.支配体制を正当化するために、歴史を書き換える。神話の作成。『明治維新大日本帝国』の正当化。
③「対米従属・自民党独裁体制」の正当化。

そして、そういう人達が、その自分の行動(変節・寝返り)を正当化するために、自分達の支配体制・既得権益=『対米従属・自民党独裁体制』を正当化するために歴史を書き換える。

『対米従属・自民党独裁体制』を正当化しようとするプロパガンダ

明治維新(テロ・クーデター)の正当化。靖国神社の神聖化。家制度(家父長制・夫婦同姓)の絶対化。『大日本帝国(全体主義軍国主義)』の正当化。
・日本の大陸進出は侵略ではなかった。植民地支配ではなかった。
日中戦争は中国が悪い。 ・欧米の侵略に対する正当防衛だった。
・太平洋戦争はアジア解放のための聖戦で、現地の人から歓迎されていた。
・住民虐殺はなかった。捕虜虐殺はなかった。人体実験はなかった。
・強制連行·強制労働はなかった。  ・慰安婦はただの売春婦。
・特攻は犬死ではなかった。米軍に対する絶大な効果があった。
・特攻・英霊のおかげで今の平和·繁栄がある。

※『明治維新藩閥体制』や『大日本帝国・軍部独裁体制』を否定すること、「悪いことをした。酷いことをしてきた」とすることは、自分達の『対米従属・自民党独裁体制』を否定することになる。

そこでは、【歴史否認・修正】すると同時に、「共産主義国が侵略しようとしている」という【被害妄想・陰謀論】の中で、マスコミを使って国民の不安・恐怖や憎悪を煽ることで 『自民党・財界・官僚』のトライアングル(対米従属・自民党独裁体制)を強化しようとしている。

軍事費は拡大する一方で、防災予算は削減されていく。

その結果⋯

対立や脅威を煽れば煽るほど、日本は軍国主義全体主義(戦前の大日本帝国)に後戻りし、「国のため」という名目で、米国に土地を差し出し、言い値で兵器を買い続け、結果、米国や支配層は儲かっていく、一方で、日本国民はどんどんと疲弊していく。

平均賃金 国民負担率 国民貯蓄率 婚姻件数・出生数

【認知的不協和理論】日本型ファシズムの成立【心理的メカニズム】ーー⑥『依存の悪循環(負のスパイラル)』

『依存の悪循環(負のスパイラル)』ーー「過去に目をつむる者は、現在にも盲目であり、未来も同じ過ちを犯すだろう」

過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目となります。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、またそうした危険に陥りやすいのです。

「荒れ野の40年」ヴァイツゼッカー連邦大統領演(1985年5月8日)

偽りを述べる者が愛国者とたたえられ、真実を語る者が売国奴と罵られた世の中を、私は経験してきた。それは過去のことだと安心してはおれない。つまり、そのような先例は、将来も同様な事象が起こり得るということを示唆しているとも受けとれるからである。(中略)そして、こんな動きは、また戦争につながるのではないだろうか。こんなことを昼となく夜となく考えては、日本の前途に取越苦労をしているのは、私ひとりだけであろうか⋯。

「日本のあけぼの」序文 三笠宮崇仁 編 

『依存の悪循環(負のスパイラル)』ーー【選民思想】と【歴史修正主義】と【陰謀論】の関係

「日本は神の国。日本人は選ばれた優秀な民族」「日本は悪くなかった。侵略・虐殺はなかった」という【選民思想歴史修正主義】と、「誰かが自分を陥れようとしている。外国が日本を侵略しようとしている」という【被害妄想・陰謀論】は同じ『脳の構造』からきている。

選民思想・優越の錯覚】と【歴史修正主義・歴史否認】と【被害妄想・陰謀論】の関係

そして、往々にして【侵略・虐殺・弾圧・粛清・ヘイト】は、「自分達は攻撃されていられる。批判者はスパイ」という【被害妄想・陰謀論】から起こる。たいてい敵国からの脅威に対する「自衛のため」と言う名目で軍備を増強し、侵略・虐殺・弾圧・粛清する。

つまり、【選民思想歴史修正主義】【被害妄想・陰謀論】【侵略・虐殺・弾圧・ヘイト】は同じ[心理的カニズム]=『依存の悪循環(負のスパイラル)』から起きており、それは【不安・恐怖・劣等感・罪悪感・苦痛・ストレス】から自分の身体や脳を守ろうとする《防衛本能》。

それはギャンブルやアルコール・薬物、あるいはいじめやパワハラと同じ。心の中の不安・恐怖を解消しようとする心理的カニズム。

依存の悪循環(負のスパイラル)。不安・恐怖・劣等感・罪悪感を軽減しようとする『心理的カニズム』。そこでは抑制機能が低下し、行動がエスカレートして行く。それは、いじめやパワハラや虐待や誹謗中傷なども同じ。

その『依存の悪循環(負のスパイラル)』の中で、①【不安・恐怖・不全感・劣等感・罪悪感】が強いほど、国家・権力者と同一化し、「日本は神の国。日本は悪いことはしていない」という②【選民思想歴史修正主義】が強くなり、「敵国が侵略しようとしている。批判者は敵国のスパイ」という③【被害妄想・陰謀論】が強くなり、客観的・俯瞰的思考や共感能力が失われ、そして、その感情はだんだんと酷くなっていき、それが④【嘲笑・差別・弾圧・ヘイト・戦争・侵略・虐殺】を引き起こす。

依存の悪循環(負のスパイラル)

『依存の悪循環(負のスパイラル)』に陥ると、周りが見えなくなる。盲目となる。自分の行動を認識できなく、行動を反省できなく、抑制できなくなる。そして段々とエスカレートして行き、自分の行動を止められなくなる。

そしてその行き着く先が戦争・侵略であり、虐殺である。

そこで、リベラル・護憲派が考えるべきことは、「どうしたら、その『依存の悪循環(負のスパイラル)』を止めらるか?」と言うこと。

リベラルがやるべきことは、『依存の悪循環(負のスパイラル)』=『権力の暴走』を止めること。そのために憲法がある。

『依存の悪循環(負のスパイラル)』を止めるには、どうしたら良いのか?

『依存の悪循環(負のスパイラル)』の構図。

心の中の不安・恐怖・劣等感・罪悪感が増大すると、被害妄想が大きくなっていく。そうすると無意識のうちに、それを軽減しようとする心理的カニズムが働き、仲間内でグループを作り、批判者・少数者を排除しようとする。

依存の悪循環(負のスパイラル)の構図。

「国旗国歌の強制」「道徳愛国心の強制」「歴史修正主義の台頭」「批判者・学者への攻撃・誹謗中傷」「少数者・外国人への差別・排除」⋯、その中で徐々に気づかない内に独裁体制が形成されて行く。

その行き着く先がアウシュヴィッツ

最初は軽い冗談・噂話や嘲笑が、やがて、ジェノサイドへと繋がる。“SNS”も最初は最初は軽い冗談・悪戯だったのが、いつの間にか会社に重大な損害を与える。“いじめ”も最初は軽い悪ふざけ・いじりだったのかいつの間にか殺人にまで発展する。“虐待”も最初は軽い躾のつもりでやっていたのが、いつの間にか虐待死にまで発展する。

“カルト宗教”も最初は仲間内の緩いサークルだったのが、いつの間にかテロにまで発展する。それは国家でも、ナチス大日本帝国明治維新でも同じ。

小さな嘘が段々と積み重なり最終的には国家を破滅へと満ち引く。そこでは、いつの間にか『依存の悪循環(負のスパイラル)』に陥り、自分達の行動を抑制することが出来なくなってしまう。そこでは自分たちは正しいと思い込んでいる。

気づかない内に、いつの間にか日本はファシズム(自民党独裁体制)になっていた。

『依存の悪循環(負のスパイラル)』の中で、自民党・官僚・警察・検察・裁判所と大企業とカルト宗教とマスコミが結びつき、いつの間にかファシズムになっていた。

「権力批判は許さない。批判者を排除・弾圧・粛清する」という空気が蔓延し、縁故主義・身内優遇・癒着が蔓延し、チェック機能が崩壊し、支配者層はいつの間にか焼け太り、日本の富を分割・山分けし、格差が拡大し、庶民が疲弊していく。

『依存の悪循環(負のスパイラル)』から抜け出す方法は?ーー騙されないために

『依存の悪循環(負のスパイラル)』に陥る原因は何か?ーー「盲目となる」原因

1:自信がない人ほど、国家と同一化し、他者に強制したがる。

人はストレスが増大し、不安・恐怖・劣等感・不全感・罪悪感が増大すればするほど、国家・権力・カルト宗教と同一化し、「規則ルール・礼儀・道徳・慣習・差別・上下関係・既得権益・・・」を絶対化するとともに、それを子供・弱者・少数者に強制し、支配・差別・攻撃することで、自分の中の不安・恐怖・劣等感・不快感を軽減し、安心感・満足感・優越感・万能感を得ようとする。(例:マスク警察、私人逮捕、デマ拡散、陰謀論⋯)

それは不安・恐怖を解消しようとする“依存行動”。「権力者に認めてもらいたい。否定されたくない。皆にバカにされたくない。人の上に立ちたい」という思いの中で、行動が止められなくなってしまう。

依存の悪循環(負のスパイラル)。不安・恐怖が大きいほど、他者を攻撃しようとする。「権力者から認められたい。否定されたくない」という思いが、行動を暴走させる。

得てして権威的で規則や道徳礼儀や 上下関係・縦社会・集団主義に拘る依存的な人(組織・集団・社会)ほど、他者に対して威圧的で、反対意見・少数意見を尊重できず排他的で、体罰DV・パワハラ・セクハラ・いじめ・差別をしたりする。

ピラミッド思考に取り憑かれ、自分の行動を抑制できなくなる。

そこでは「これは本当に正しいのだろうか?」という葛藤や、「他者を傷つけていないだろうか?迷惑をかけていないだろうか?将来どうなるだろうか?」という共感能力や反省能力や想像力が失われ、「自分は正しい、優れている。反対者は自分を陥れようとしている。嘘を言っている」というような猜疑心や被害妄想や他責思考のもと、自分の行動が抑制できなくなってしまっている。

1つの価値観(ピラミッド思考、支配と服従、競争と順位)に縛られ、上のご機嫌をとることばかりに気を取られ、周りが全然見えなくなる。権力者・独裁者と同一化し、弱者・少数者・批判者を差別・攻撃し、支配することで、安心感や満足感を得ようとする。

2:虐げられて来た人ほど、保守的・権威的・排他的になる。

ピラミッド支配構造の権威主義的な社会・組織・集団の中で、差別されていた“マイノリティー・弱者・少数者・貧困層・奴隷階級など”の人達が、苦労して成り上がった途端に、より権威的・排他的になり、批判者を弾圧・排除し、残虐に弱者を痛めつけ、差別し、虐殺しようとする。

それは不安・恐怖・劣等感の中で、「権力者に認められたい。否定されたくない。他者に勝ちたい。負けたくないない。バカにされたくない」という思いが強くなり、脳の抑制機能が低下し、共感能力や想像力や尊厳が失われ、欲望の膨張を止めることができなくなり、周りの状況を冷静に見れなくなっているのである。

そして、そういう“悪い(弱い)自分”を否認し 、反省できない、抑制できない人たちが“支配欲”が暴走し、五輪万博IR・リニア・原発再稼働・辺野古埋立・マイナ保険証などを推進し、夫婦別姓LGBT法に反対し、スパイ防止法・緊急事態条項・軍備増強・改憲を叫び、国旗国歌や道徳や愛国心や特攻を強制しようとする。他者を1つの価値観で縛ろうとする。

⋯⋯それは自分に自信がないから。精神が未熟で自信がない人ほど権力・強者と同一化し、客観的・俯瞰的・多角的思考ができなくなり、反対の立場になって考えることができなくなり、他者・弱者・少数者を差別・攻撃し、批判者・野党・学者に対して誹謗中傷しようとする。

そうすることで、「自分は強い、勝者、偉い、支配者」と錯覚し、優越感・万能感・安心感・満足感を得ようとしているのである。

自分に自信がなく、精神が未熟な人ほど、国家・権力者と同一化し、他者を1つの価値観で縛ろうとする。批判は許さない。批判者は敵国のスパイ。自分の行動を正当化しようとするあまり、【被害妄想・陰謀論】に取り憑かれる。

社会から差別され、虐げられて来た人が、国家・権力者・強者・教祖に同一化することで優越感・万能感・安心感・満足感を得ようとする。その自分の行動を正当化するために『仮想敵』を作り出し、批判者や少数者を差別・攻撃・誹謗中傷し、排除しようとする。

3:愛国心(自己肯定感・尊厳)がない人ほど、他者に愛国心を強要したがる。

『依存の悪循環(負のスパイラル)』に陥りやすい人の特徴。
国家・権力者と同一化し、他者に強制したがる人の特徴。

例えば、自分に自信がない人ほど、子供や部下に「1番でなければ意味がない」「反抗・批判は許さない」と競争・忠誠・服従を強制する。

それは、権力者・強者・勝者・人気者と同一化し、「○○のようになれ!○○を見習え!お前は何をやっても駄目な奴だ」と、他者を威圧・強制・蔑視・恫喝・差別・攻撃することで自分の中の劣等感を払拭し、優越感・安心感を得ようとしているのである。

逆に自分に自信がある人は「競争・順位なんてどうでも良い」「どんどん反対意見を言っても良い。批判しても良い」と言うだろう。そして、そのことにより、その人は多角的視点、新しい視点を手に入れることができる。また、その意見をどんどん取り入れることで、より成長できる。新しいものを創造できる。(それは技術革新だけでなく、例えば体育会系で昔は「水飲み禁止」だったのが、今は「こまめに摂るべき」と変わったように)

www.yomiuri.co.jp

jisin.jp

news.yahoo.co.jp

同じように、自分に愛国心や誇りがないから、他者に愛国心や誇りを強制したがる。

日本の歴史や文化に愛着も責任感もないから、平気で自然や文化を破壊する。平気で嘘をつく。捏造する。他国や沖縄やアイヌの自然文化を尊重できない。他者の批判や反対意見・少数意見に耳を傾け、反省することができない。

そして、その人は自分の権力を正当化するために、対立を煽り、批判者を攻撃し、排除・粛清し続けなければならない。しかし、その人はいずれ破滅し、その国は衰退していく。

自分の中の不安・恐怖・劣等感・罪悪感・後ろめたさを隠すために、他者に愛国心を強要する。神と同一化し、他者を服従させようとする。

愛国心とは「自分を大切にしよう」という心の中から湧いてくるものであるから、「愛国心を持て」と言って強制できるものではない。そもそも親や社会から虐げられ、愛された経験がない人が、自分を大切にしよう、他者や生き物や自然を大切にしようと思うだろうか?

それに、自分に本当に愛国心があるならば、相手の愛国心(伝統・文化・自然)も尊重できるだろう。逆に「国の為に⋯」という人ほど共感能力が低く、相手の気持ちや行動を尊重できない。

人権意識が低いサイコパスナルシシスト権威主義者・差別主義者・歴史修正主義者・御用学者ほど、「愛国心」を叫び、ウイグル問題や北朝鮮日本人拉致や外国人犯罪について強調したがる。そうすることで権力支配・既得権益を正当化しようとする。

 

特攻を強制する人は、自ら特攻に行くことはない。国家・権力者・教祖・天皇と同一化し、「国のために死ぬ」ことを部下・子供・弱者や批判的・反抗的な者に強制することで支配欲を満たそうとしているのである。そこで快感を得ているのである。そして、その自分の行動を正当化するために、「特攻があったから今の日本の平和繁栄がある」「日本のため、家族のため、子供のために、自ら進んで犠牲になった」と認知を書き換える。

そう言うことで、暗に⋯

「自分(権力者・独裁者・支配者)のために命を捧げろ!」=「自分に従え。服従しろ!反抗は許さない!」

と言っているのである。

不安・恐怖・劣等感を解消するために、国家と同一化し、反対者を攻撃する。寂しさを紛らわすための仲間内の飲み会が、国家を破滅へと向かわせる。自己正当化しようとするあまり、嘘ばかりつき、他者に責任転嫁しようとする。

全部、自分に返ってくる。「みっともない自分」「嘘つきな自分」を否認するために、他者を攻撃・誹謗中傷する。

それはカルト宗教と同じ。神・教祖と同一化し、「お前は悪魔に呪われている。悪魔が攻めてくる」と信者を騙し、不安・恐怖を煽り、「神・教祖のために命を捧げろ!たくさん献金しろ!」と強制(洗脳)することで、支配欲を満たそうとしているのである。そして、そういう人ほど「批判者は悪魔に操られている、自分たちを陥れようとしている」とか、「信者が進んで献金した。騙される方が悪い。被害者にも責任がある」と自分の行動を正当化しようとする。

カルト宗教の特徴。

それはマイナ保険証・五輪万博IR・国葬辺野古埋立・リニアなども同じで、それ自体は何の意味もない。ただその利権に群がり、「これをすれば儲かる。これが唯一の解決策」などと騙し、「反対者は反日、日本を貶めようとしている。中国に操られている。金のためにやっている」と不安・恐怖・憎悪を煽り、それを強制・強行することで支配欲を満たそうとするものである。

自分の行動を正当化するために、批判者を攻撃する。

そして、そういう人ほど、「日本は神の国日本スゴイ、日本人スゴイ。日本は悪いことはしない」「国のため、子供達のため、国民のため⋯」という人ほど、ひたすら私利私欲、既得権益、公共事業、自然破壊、縁故主義、友達優遇、権力の私物化、税金の山分けに邁進する。

そういう人ほど教育に口を出したがる。道徳や愛国心を強制したがる。特攻を美化したがる。それは自分の行動(支配欲と服従欲)が批判され、否定され、人に見捨てられるのが怖いから。

“理想”と“現実”との矛盾が拡大する中で、自分の中の不安・恐怖・劣等感を払拭するためには、常に誰かを攻撃し続けなければならない。他国の脅威を強調せずにはいられない。自分の責任を認識できず、常に他者のせいにせずにはいられない。『仮想敵』『生贄』を作らずにはいられない。

そして、それが戦争・侵略・虐殺へと繋がっていく。

【認知的不協和理論】日本型ファシズムの成立【心理的メカニズム】――⑤『自立的人間』と『依存的人間』

『自立的人間』と『依存的人間』

『自立的人間』と『依存的人間』

①『依存的人間』が生まれる仕組み。ーー[支配と服従]の絶対化

子どものときから受験競争や体育会系などの“競争社会”の狭い空間の中で、ひたすら上を目指し頑張っていたり、また虐待や過干渉やネグレクトなどの“不適切な養育”のもとで育って行くと、前頭葉の発達が阻害され、抑制機能(自立心)が成長できなく、『依存的人間』になりやすくなる。

不適切な養育(体罰・虐待・過干渉・ネグレクトなど)のもとで育てられた子どもは、脳の前頭葉の発達が抑えられ、自立することが困難になる。
そして、子どものときに負った心の傷が原因で様々な問題を引き起こす。

自立とは依存先を増やすこと

まだ脳や身体が成長していない子供にとって親の言うこと(命令、規則ルール)は絶対であり、それを守ることで外敵や危険から自分の身を守ることができる。それは“動物”として生きていくための防衛本能。子供は親に甘え、依存することによって、安心感・満足感を得ようとしているのである。

子供は親に甘えることによって、安心感・満足感を得て脳を成長させる。

そして、その中で脳や身体が成長するに連れ、子供の頃は怖かった幽霊や妖怪も怖くなくなると同時に、生きる自信が生まれ、他者に対する共感能力や“ヒト”として生きていくための想像力や信念が生まれ、親への反抗心が生まれる。そうして試行錯誤しながら、一人の自立した大人として成長して行く。

しかし、体罰・虐待・過干渉・ネグレクトなどを日常的に受け続けた子供はストレスにより、脳の抑制機能が発達できず『依存的人間』になりやすくなる。

抑制機能が成長できないと、本能の暴走を制御できず、様々な障害が起こってくる。

 抑制機能(葛藤・反省)が発達できないと、本能(感情・欲望)が暴走し、物事が客観的・俯瞰的に見れなくなる。自己正当化しようとする余り、現実と妄想の区別ができなく、嘘をつきやすい人間となる。

そこでは[支配と服従]の関係しか築けなくなり、[競争と順位]が価値の全てとなる。

権力者・強者・教祖
服従・隷属)(忠誠・忖度)
(安心感・満足感)自分(優越感・万能感)
(管理・支配)(強制・体罰
弱者・少数者・敗者

それは、ピラミッド支配構造の中で、「勝たなければならない、負けてはいけない、皆と同じでなければならない」というようなプレッシャー(同調圧力・強迫観念)の中で、「大人に認めてもらいたい、否定されたくない、怒られたくない。皆と同じでなければならない」というような不安・恐怖・不全感・劣等感が増大するに伴い、それを軽減しようとする心理的カニズム(防衛機制)によって引き起こされる。

そこでは常に上司の顔色ばかり伺い、ご機嫌を取ることが喜び・快感となり、将来に対する想像力や弱者への共感能力が失われてしまう。権力者を守るため、組織を守るため、自分の存在を守るために、嘘をつき、記録を改竄・廃棄する。自分の行動を俯瞰的に見ることができず、客観的な判断ができなくなくなる。

上司・強者に媚を売ると同時に、部下・弱者に高圧的な態度をとる。

競争社会の中で、「組織・権力者を守ることが正義」と思い込み、上司・強者には忖度し、媚を売るとともに、部下・弱者に対して高圧的になりパワハラする。受験競争を勝ち抜いてきたエリートが、出世して行く内に、権力者の顔色ばかり伺い、弱者に寄り添うことができなくなる。

強者と同一化し、弱者を痛めつける、虐殺することで優越感・満足感を得る。

権力者と同一化することで、自分は偉いと勘違いし、規則ルール・礼儀・道徳を絶対化し、高圧的な態度をとる。そこでは「自分の行動こそ正義。優れている。多数派。自分は偉い。人気がある」と勘違いし、

「“権力者を守る”こと、“組織を守る”こと、“既得権益を守る”こと」=(イコール)=「国家のため、国民のため、子供達のためにやっている」

と思い込み、「弱者(子供・部下・少数者)は劣っている。甘えている。礼儀がなっていない」「批判者は組織を陥れようとしている」「被害者は金が欲しくて嘘を言っている」というような『猜疑心・被害妄想』に取り憑かれ、自分の行動を反省し、謝罪することができない。規則ルール(幻想)を絶対化し、それを他者に強制(パワハラ)することで、快感・優越感・満足感を得ようとする。

そこでは脳が『依存状態』になっていて、物事を俯瞰的に見れなく、共感能力が崩壊し、自分の行動を抑制できなく、『依存の悪循環』に陥り、どんどんと酷くなっていく。

②『依存的人間』は、共感能力が崩壊し、他者との適切な距離がとれない。ーー「国家・権力者と同一化」と「被害妄想・ヘイト」

ピラミッド支配構造の弱肉強食社会の中で、不安・恐怖・劣等感が増大していくと、それを軽減しようとする防衛機制が働き、自我が『良い自分』と『悪い自分』に分裂し、『良い自分』を組織・権力者・強者・勝者・人気者・多数派に同一化する一方で、『悪い自分』を弱者・少数者・敗者・脱落者・批判者に投影し、粘着攻撃・虐待・パワハラ・誹謗中傷・虐殺することで不安・恐怖を払拭し、安心感・優越感・満足感を得ようとする。

不安・恐怖・劣等感を軽減しようとする防衛機制。分裂した『悪い自分』を他者に投影し、攻撃することで優越感を得ようとする。 【投影性同一視】

そうすることで精神のバランスを保とうとする。

そこでは、1つの価値観(ピラミッド思考、支配と服従、競争と順位)に凝り固まり、他者への共感能力が崩壊し、適切な距離が保てなくなり、他者の行動や考えを尊重できなくなる。そして、現実と妄想の区別がつかなくなる。

現実の自分の生活に全然関係ないのに権力者・強者・人気者・アイドルに同一化することで、まるで自分が強く、偉く、人気者になったかのように錯覚し、優越感や誇りを感じたりする一方で、不安・恐怖・劣等感を投影した批判者・子供や有名人・アンチの言動に対して、まるで自分の存在が否定されたかのように感じ、被害妄想から激昂し、憎悪し、攻撃・虐待・体罰パワハラ・誹謗中傷する。

『悪い自分』を投影した反対者に対して、「人を見下している。甘えている。ズルしている。自分勝手だ!」「日本を貶めようとしている。金のためにやっている。在日に違いない。頭が悪い。勉強が足りない。発狂している。悪い奴は死んで当然、死刑!殺してしまえ!」などと叫ぶ。

そこには「良い子でなければならない。反抗してはならない。規則は守らなければならない。勝たなければならない。甘えてはいけない。上司の言うことは絶対。負けたら生きる意味がない」という強迫観念の中で、無意識に『悪い自分』を他者や子供や少数者や有名人や外国人に投影し、攻撃・虐待・パワハラ・ヘイトすることで“自分の行動・価値観を正当化したい”という防衛機制が働いている。

国家と同一化し、悪い自分(不安・恐怖・劣等感・死)を外国人に投影し、攻撃することで優越感を得ようとする。

③『国家』との同一化=御用学者・ネトウヨ・カルト

それは国家に対しても同じで、自分の存在に対する不安が大きく 、『悪い自分(弱さ・醜さ・未熟さ)』を認識できず、自分の行動を反省できなく、「自分は間違わない。強い。正義。中立」という“優越の錯覚”が強い人ほど、何か問題が起こったとき「日本は悪くない、悪いのは外国のせい。外国が日本を侵略しようとしている」という“被害妄想・他責思考”に陥り、国家・権力者の責任を他者に転嫁しようと激しく攻撃する。⋯それは『国家』と『自分』を同一化してしまっているから。

国家と同一化することで、優越感・万能感・安心感・満足感を得ようとする。そこでは権力に対して、適切な距離感が保てず、俯瞰的・多角的な視点が失われ、客観的・論理的・科学的な思考・判断ができなくなる。

人は自分の行動を正当化するために認知を変更する。都合の良いことばかり見て、都合の悪いことを否認する。

例えば水俣病において、学歴社会の中で“権威”と言われる人達がこぞって、「企業・政府は悪くない。権威に盾突くのは許せない。経済成長が重要」という価値観の中で、「被害者(貧乏人)が腐った魚を食べたからだ。カネが欲しくて嘘をついている。批判者(学者・医者・労働組合)は中国のスパイだ」と妄想デマ・誹謗中傷を拡散させることで、マスコミや世論を混乱させ、結果、原因究明を遅らせ被害を拡大させていった。

それは、脳が依存状態になり、ピラミッド思考(支配と服従、競争と順位)に拘る余り、客観的・科学的判断が出来なくなってしまっていたからに他ならない。そこでは、何者にも縛られない『自立的人間』=フラット思考(自由と平等、自立と尊厳)の価値観でなければ、客観的・俯瞰的・科学的判断はできない。

それは地球温暖化原発再稼働・辺野古埋立・リニア・五輪万博IRにしても、モリカケ桜や安倍射殺・国葬や名古屋入管死事件にしても自分の行動(服従・隷属)を正当化しようとするあまり⋯

「権力批判はマスコミの捏造だ」「統一=安倍批判はテロを擁護している」「批判者・野党は中国に操られている」「被害者は嘘つき。カネのためにやっている。自己責任」「地球温暖化は嘘、中国の捏造」「権力批判は日本を貶めようとしている」「野党は批判ばかり。自民党も悪いが、野党もだらしない」など

あたかも「批判者のほうが悪い。被害者の方が悪い」というような印象操作・誹謗中傷することで、権力の暴走を正当化し、支配・管理・既得権益を正当化しようとする。

「安倍=統一教会批判はテロを擁護している!安倍暗殺は批判者の責任!権力批判は許せない!」

そこでは、『権力=自分のポジション』を守ることが第一となり、弱者への共感能力が崩壊し、客観的・俯瞰的・論理的・科学的思考が失われてしまっている。

自分の中の不安・恐怖を批判者に投影し、「中国が日本を侵略しようとしている。批判者は在日、中国のスパイ。地球温暖化は中国の捏造」と思い込むことで、自分の行動を正当化しようとする。

不安・恐怖・劣等感の中で自我が『良い自分』と『悪い自分』に分裂し、『良い自分』を国家・権力者と同一化し、「国の為に死ぬ」(特攻・愛国心)ということに存在意義を見いだし『大日本帝国』と同一化する。一方で、『悪い自分=悪い日本』(侵略・虐殺)を否認し、その『悪い日本』を戦争責任を追及する中韓や批判者・野党・学者・マスコミに投影し、攻撃することで自分の行動を正当化しようとする。

自分の中の不安・恐怖・劣等感・罪悪感が増大する中で、分裂した『悪い自分』を相手に投影して攻撃することで、優越感・万能感・安心感・満足感を得ようとする。それは自分の行動を正当化しようとする防衛機制

それは否認した、自分の本当の姿。自分の中の『弱い自分』(不安・恐怖・劣等感・罪悪感)の裏返し。

つまり、自分に自信や自己肯定感(尊厳)がなく、自分の中の不安・恐怖・劣等感・罪悪感が大きいほど、『悪い自分・醜い自分・弱い自分』を否認しようとするほど、「否定されたくない、教祖に認められたい」というような承認欲求や、「他者にバカにされたくない。否定されたくない。他者に勝ちたい」という優越欲求が強くなり、『国家・権力者・強者・教祖』と同一化し、規則ルールを絶対化し、「自分は国家のためにやっている。自分は愛国者」と思い込み、「自分は選ばれた人間。日本は神の国。日本人は優れた民族。悪いことはしない」という選民思想・優生思想に洗脳され、「反対者は反日、外国人に違いない。日本を貶めようとしている。共産主義だ」という被害妄想に取り憑かれてしまう。

そして、その自分の行動を正当化するために、「被害者は嘘を言っている。反対者は外国のスパイ。国旗国歌を敬うのは当たり前。子供は叩き続けなければならない。敗者・弱者・少数者・反対者は死んでも良い。自己責任」というような性悪説・差別主義・奴隷根性・カルト指向が強まっていく。

不安・恐怖・劣等感・罪悪感が強いほど、国家・権力者・教祖・強者と同一化し、規則ルールを絶対化し、体罰を正当化し、自分の行動(支配欲)を正当化しようとする。

【認知的不協和理論】日本型ファシズムの成立【心理的メカニズム】ーー④「陰謀論」「歴史修正主義」が生まれる『心理的メカニズム』

陰謀論」「歴史修正主義」が生まれる『心理的カニズム』(防衛機制

「劣等感・罪悪感」を軽減しようとする『心理的カニズム』

ピラミッド支配構造の中で社会的ストレスが強まると、自我が『良い自分』と『悪い自分』に【分裂】してしまう。

そして、どうしても受け入れ難い『悪い自分』を【否認】すると同時に、潜在意識に【抑圧】した『悪い自分』を他者に投影し、攻撃することで、あたかも相手に“欠点・落ち度”があるように誘導し、責任転嫁しようとする。

【投影性同一視】認め難い『悪い自分』を相手に投影して攻撃することで自分の中の劣等感・罪悪感を払拭し、優越感・万能感を得ようとする。

 

【投影性同一視】相手に「自分が悪い」と思い込ませ、支配コントロールしようとする。

そこで、『良い自分』を国家・権力者・教祖と同一化させ、「自分は正しい。優れている。強い。正義。美しい。スゴイ。愛国者」と主張すると同時に、『悪い自分』を弱者・少数者・批判者に投影し、「相手が間違っている。劣っている。弱い。嘘つき。醜い。汚い。反日共産主義者」と思い込む(周りに思い込ませる)ことで、自分の中にある劣等感や罪悪感を払拭しようとする。

不安・恐怖・劣等感・罪悪感を軽減しようとする心理的カニズム

『良い自分』を国家と同一化させ、『悪い自分』を相手に投影し、攻撃する。「自分は愛国者。批判者は反日」「自分は悪くない。相手が悪い」 「自分は正しい。相手が自分を陥れようとしている」と思い込む。そうして自分の中の劣等感や罪悪感を払拭しようとする。

そこでは、客観的・俯瞰的視点が失われ、「自分が間違っていたのではないだろうか」どういう葛藤・反省や、他者・弱者・少数者・批判者に対する共感能力が失われてしまう。

自分の失敗・ミス・不正を認め、反省し、謝罪することができず、常に他者に責任転嫁しようとする。

そしてそれが『歴史修正主義』に繋がってくる。「特攻は意味があった。特攻のおかげで今の日本の平和繁栄がある」とか、「アベノマスクは意味があった。絶大な効果があった」と主張することで自分の行動(支配)を正当化しようとする。

【投影性同一視】とは?

【投影性同一視】とは、自分自身の中にある受け入れ難い感情や行動を他者に押し付けて、かつその他者を攻撃するという『防衛機制

精神が未熟で自分と他者との区別が曖昧な境界性パーソナリティ障害者や自己愛性パーソナリティ障害者などは、自分自身に認められないような醜い劣等感や恥ずべき感情、醜悪な劣った人格などを相手に「投影する」ということを行う。そしてその嫌な部分を押し付け、自分自身は「善」のまま、相手を「悪」として嫌悪感を向け、攻撃することによって、心の中の不安や劣等感を解消しようとする。

「投影」というのは、病気レベルでない話としては、不都合な事が起きた時の「責任転嫁」のようなものです。しかし、普通の「責任転嫁」が自己保身のために意図的に行われる策略のようなものであるのに対し、「投影」は全く無意識に、心の底からそうだと思って行われます。

例えば、自分が悪意をもって攻撃している人が、その悪意を相手に「投影」し、相手が悪い奴で、自分は被害者だ(=相手が自分を攻撃している)と、本気で思い込む(被害妄想)

具体的には

・「煽り運転」している人が、自分が煽られている(=相手が煽っている)と思い込む。

・「体罰・虐待」をしている人が、自分は被害者だ(=相手が攻撃している)と思い込む。

・「差別」している人が、自分は差別されている(=相手が差別している)と思い込む。

・「浮気」している人が、配偶者に浮気されている(=配偶者が浮気している)と思い込む。

・「嘘つき」が、自分を貶めようとしている(=相手が嘘をついている)と思い込む。

つまり、それは鏡に映った本当の自分の姿

分裂した『悪い自分』(醜い行動・欲望・後ろめたさ・劣等感・罪悪感)を映す鏡と言える。相手が「そう見える」ということは、実は「自分がそういう行動をしている」ということでもある。

よく、相手を激しく攻撃・誹謗中傷している人を見て、「それは自分自身のことだろう」と言うことがある。

例えば、“煽り運転”をした人は、たいてい「自分の方が煽られた」と言う。嘘つきは「相手が嘘を言っている」と言う。虐待・体罰パワハラする人は「自分が攻撃された」と言う。攻撃的な人は「自分達は攻撃されている」と言う。差別主義者は「自分が差別されている」と言う。頭がおかしい人は「周りの人たちは頭がおかしい」と言う。

それは自分がやっている行動・感情・欲望を、相手に投影しているのである。そうして自分の行動を正当化しようとしているのである。

【分裂】(善悪二元論)と【投影性同一視】

「あいつは金の為にやっている」とか、「ズルしている」「嫉妬している」「甘えている。我慢が足りない」と思うのは、普段から自分が「人に勝ちたい、金持ちに成りたい。人の上に立ちたい」という思いが強いからであり、また同じように、「あいつは人をバカにしている、見下している、上に媚びている」と見えるのは、自分が上下関係に拘りが強いからに他ならない。

カルト宗教に洗脳され、教祖に“服従・隷属”しているカルト信者は、「批判者は悪魔に洗脳され、悪魔に操られている」ように見える。

カルト信者は、批判者が悪魔・共産主義服従・隷属しているように見える。

「自分は正義。選ばれた人間。批判者は悪魔に操られている」

宗教・教祖・神         悪魔・共産主義
服従⬇隷属 →投影性同一視→ 服従⬇隷属
カルト信者           批判者

それは、鏡に映った自分の姿。自分の行動を他者に投影している。

【投影性同一視】鏡に映った自分の姿。

同じように、権力者・独裁者に“服従・隷属”しているネトウヨは 、「自分は正しい。中立。普通の日本人。愛国者」と言うとともに、「マスコミは偏向している。批判者は在日だ、共産主義者だ、外国に操られている。外国に服従し、忠誠を誓っている」と攻撃する。

「自分は愛国者。批判者は外国のスパイ・在日・共産主義者

国家・権力者・教祖        外国・共産主義
服従⬇隷属 →投影性同一視→ 服従⬇隷属
ネトウヨ            批判者

 

⋯それは鏡に映った自分の姿。

それは、心の中の劣等感・罪悪感の表れであり、自分に自信がないからに他ならない。

自信がないから、唯一の拠り所の『日本人』とか『男』とか『女』というものに異常に拘り、国家と同一化し、権力に依存・服従・隷属し、「国家のために死ぬ」ことに存在意義を見い出し、それを美化しようとする。そうすることで優越感・万能感・安心感を得ようとしているのである。

そこでは、「日本は神の国日本スゴイ。日本人は優れている。日本人は選ばれた民族」と思い込むとともに、「日本は絶対に悪いことはしない。虐殺はなかった。侵略ではなかった。被害者は嘘をついている。日本を弱体化するための捏造だ」と『悪い日本』を否認する。

そこでは

【善】→「国家権力に服従する」(ピラミッド思考、支配と服従)=権威主義大日本帝国靖国・特攻=愛国者

【悪】→「国家権力を批判する」(フラット思考、自由と平等)=民主主義=日本国憲法=第9条・人権尊重=偏向している

となる

その善悪二元論に囚われ、客観的視点が失われ、「日本の過去を反省し戦争責任を認めたり、権力の不正を追求する者達は自虐だ。日本を貶めようとしている。在日で、中国のスパイ工作員である。他国に忠誠を誓っている」というように認知を変更し、思い込み、誹謗中傷し、「日本人ヘイトだ!」と怒りだす。

【投影性同一視】と「陰謀論」「歴史修正主義

ピラミッド支配構造の管理競争社会の中で、「人に勝ちたい。権力者に認められたい。否定されたくない。仲間外れにされたくない。皆と同じでなければならない。⋯」というような同調圧力・強迫観念のストレスが掛かり続けていると、脳内神経伝達物質のバランスが崩れ、抑制機能が低下し、不安・恐怖・不全感・劣等感・罪悪感が増大していく。

すると、それを軽減しようとする防衛機制が働く。

不安・恐怖・不全感・劣等感・罪悪感を軽減しようとする『心理的カニズム』

その1.国家と同一化・帰属意識「国のために死ぬことが自分の使命。愛国心
その2.優越の錯覚・選民思想「日本人は選ばれた民族。間違わない。自民族中心主義・ナショナリズム歴史修正主義
その3.被害妄想・他責思考「敵国が日本を侵略しようとしている。批判者は日本を貶めようとしている。悪いのはすべて他国(他者)のせい。陰謀論

『良い自分』(優越感・万能感)  →〈同一化〉→  国家(日帝🇯🇵)・教祖🏺
 分裂⬇否認  〔善悪二元論〕      ⇧被害妄想・陰謀論
『悪い自分』(劣等感・罪悪感)  →〈同一視〉→  批判者・敵国🇨🇳🇰🇷🇰🇵

「日本は優れた国家」「中韓朝は劣った野蛮な国家」「侵略・植民地ではなかった。虐殺・強制労働はなかった」「学術会議・マスコミ・野党は在日・中共に支配されている」

そこでは客観的視点が失われ、「陰謀論」や「歴史修正主義」か生まれ、「ネトウヨ・カルト」が生まれる。

「自分は善、愛国者。優れている」と思い込むと同時に、「反対者は悪、反日共産主義者、在日、外国のスパイ。悪いことをする。劣っている」と思い込む。

そこでは、日本の戦争責任や、権力の不正や犯罪を指摘し追求する人に対して、「外国に操られている。洗脳されている。日本を貶めようとしている。日本人ヘイトだ」と思い込み、誹謗中傷する。

それは自分の中にある劣等感・罪悪感を軽減しようとする防衛機制から来ている。

『日本型ファシズム』の根源

【投影性同一視】と「プロパガンダ

他国を侵略する攻撃的な国家は、たいてい「相手が攻撃してきた。これは自衛のための戦争だ」と言う。

自分の行動(侵略・支配)を正当化するために、他者に責任を被せる(被害妄想)。自分の中の不安・恐怖を相手に投影することで、自分の行動を正当化しようとする。

そして、独裁者は国家と同一化し、「自分の行動は正しい、愛国者。国のために命を捧げろ」と主張すると同時に、「反対者を外国に操られ、自国を貶めようとしている。売国奴。敵国のスパイだ」と言って粛清する。

そうすることで、自分の権力支配を正当化し、絶対化しようとする。それは自分の心の中の不安・恐怖・不全感・劣等感・罪悪感を軽減しようとする防衛機制から来ている。

独裁者が権力支配(既得権益)を正当化しようとするプロパガンダ

①自国は優れている。我々は選ばれた偉大な民族。神の国
②敵国は野蛮な劣った民族。自国を侵略しようとしている。悪の国。
③反対者は他国のスパイで、自国を貶め、弱体化せようとしている。

独裁者は、自分の中の「不安・恐怖」を軽減するためには、常に『良い自分』を投影した“神・教祖・国家”と同一化するとともに、『悪い自分』を“投影同一視”した“悪(仮想敵・少数者・弱者・反対者)”を攻撃し続ける必要がある。

戦争遂行のためのプロパガンダwikipedia  「プロパガンダ

そこでは無意識の内に、国民の不安・恐怖・憎悪を煽ることで、ピラミッド支配構造を絶対化し、自分の権力支配を正当化しようとしているのである。

そして、それと同じような手法(プロパガンダ)として【ウイグル話法】がある。

ウイグル話法】

ウイグル話法』とは?
日本国内の差別や人権侵害、あるいは政府の不正・汚職を批判するリベラル・野党などに対して「じゃあウイグルはどうなんだ?ウイグル問題を批判せず日本の人権問題だけ批判するのはダブルスタンダードだ!」と威圧恫喝する詭弁術のことであるが、その言葉の後には大抵、「批判者は中共のスパイ工作員に違いない」「在日に違いない」「日本を貶したいだけ」「嫌なら日本から出ていけ」と誹謗中傷する言葉が続く。

これも【投影性同一視】と見ることができる。

ピラミッド支配構造の競争社会の中で、不安・恐怖・不全感・劣等感・罪悪感が増大し、自我が分裂し、良い自分を国家・権力者・多数派と同一化し、反対者・弱者・少数者を攻撃することで自分の行動(服従・忠誠)を正当化しようとする。

日本スゴイ、日本は優れている、悪いことはしない」と思い込み、「虐殺はなかった。侵略ではなかった。植民地ではなかった。強制連行・強制労働はなかった。従軍慰安婦はただの売春婦」と歴史否認し、同時に、その否認した『悪い日本』を他国に投影し、「敵国が日本を侵略しようとしている。批判者は外国に操られている。マスコミは在日に支配されている」と認知を変更する。

歴史修正主義(歴史否認)】と『ウイグル話法』。それは表裏一体の関係。
それは自分の行動を正当化しようとする防衛機制からきている。国家と同一化し、外国の脅威を煽ることで、自分の権力支配を正当化しようとする。

それは自分の行動(支配と服従、差別)を正当化しようとする心理的カニズム。

【沖縄話法】【LGBT話法】

同じように、沖縄で辺野古埋立・新基地建設反対運動に対して、「反対者は在日。野党は中国のスパイ。野党が勝つと中国が攻めてくるぞ!」というデマ、陰謀論を広めることで自分の権力支配構造・既得権益を絶対化しようとする。

また最近では、保守派を中心に「“LGBT法”が通ると、女性トイレや女性風呂に男が入ってくるぞ!」というような言説が盛んに拡散され、人の不安・恐怖を煽ることで、自分の(少数者)差別を正当化しようとする。

それらも、1つの【投影性同一視】だと言える。つまり、自分が普段からやっている行動を批判者に投影し、批判・攻撃することで、自分の中の不安・劣等感・罪悪感を軽減し、自分の行動(依存・服従・隷属・差別)を正当化しようとしているのである。

国家と同一化し、権力者に媚びへつらうと同時に、弱者・少数者を攻撃・誹謗中傷する。それは心の中の不安・恐怖・不全感・劣等感・罪悪感を軽減しようとする防衛機制【投影性同一視】

そこでは権力者・強者に媚びへつらうと同時に、敵・批判者・弱者・少数者に対しての不安・恐怖・憎悪を煽ることで自分達の既得権益・権力支配を正当化しようとする。

それは、『自己肯定感=自立心=尊厳』の低さ、精神の未熟さ、奴隷根性からきている。心の中の不安・恐怖・劣等感を国家・権力者と同一化する、権力に服従することで安心感や満足感や優越感を得ようとしているのである。そして、それが現在の日本型ファシズム自民党独裁体制を支えている。

 

【認知的不協和理論】日本型ファシズムの成立【心理的メカニズム】――③「ネトウヨ・カルト」が生まれる『心理的メカニズム』ー『防衛機制』とは?

ネトウヨ・カルト」が生まれる『心理的カニズム』

◉その1.『ピラミッド支配構造』の絶対化。••••[規則ルールの絶対化]

受験競争や体育会系、あるいは軍隊や企業や官僚機構などのような『ピラミッド支配構造』の中で、「競争に勝たなければならない。負けたら生きる価値がない」というような社会的・精神的・物理的圧力(ストレス)の中で、ひたすら上を目指し 、「勝った!、負けた⋯」と繰り返していく内に、いつの間にかその『ピラミッド支配構造』を絶対化するようになる。

そこでは、
①「権力者に認められること」
②「他者に勝つこと、人の上に立つこと」
が生きる目的・喜び・快感となる。

そのピラミッド支配構造の中では、権力者の命令は絶対であり、他者との「競争・勝敗・順位・強弱・優劣・上下・⋯」が価値の全てとなり、規則ルールや道徳・習慣・風習・慣例・学歴などの「共同幻想」を絶対化し、それを他者に強要し、異質者を排除し、敗者・弱者・少数者を嘲笑・差別・蔑視し、その構造に対する反対者・批判者を攻撃しようとする。

そして、そのピラミッド構造の中で、生き残るために上に向かって必死に出世競争している内に、いつの間にか視野が狭くなり、生きる選択肢がなくなり、自分を客観的・俯瞰的に見れなくなり、他者に対する共感能力がなくなり、相手の立場に立って考えることができなくなる。

脳が『依存状態』になる仕組み。

①ピラミッド型社会の中で、上に向かって「勝った」「負けた」を繰り返し、
②快感・優越感(ドーパミン放出)を求め頑張っている内に、
③いつの間にか脳が依存状態になる。

ピラミッド支配構造の中で、上に向かって「勝った、負けた」を繰り返すうちに、いつの間にか脳が『依存状態』になる。ピラミッド支配構造を絶対化し、その組織と同一化することで、快感・優越感・安心感・満足感を得ようとする。
「理性(抑制機能)の低下」と「本能(欲望・感情)の暴走」

それは気づかない内に、ストレスにより脳の抑制機能が低下し、依存状態になってしまっているのである。

脳が依存状態になるとピラミッド支配構造を絶対化し、「自分の行動(競争・服従・隷属)こそ正義」と思い込み、「反対者・批判者は悪」というような二項対立・善悪二元論に陥ってしまう。そして、「1番でなければ意味がない。反抗してはならない。皆と同じでなければならない」と思い込み、自分の行動を否定する人、批判する人に対して激しく憎悪し、攻撃するようになる。

それは「他者に勝ちたい。権力者に認められたい。否定されたくない」というストレスから生じる不安・恐怖・不全感・劣等感の暴走を軽減しようとする『心理的カニズ厶』の働きによる。

それは、“ギャンブル・アルコール・薬・いじめ・買い物・SNS・痴漢・万引き・自傷行為・仕事中毒(ワーカホリック)など”と同じで、その根底にはストレスなどによる脳の神経伝達物質のバランスの異常による「前頭葉の機能低下」と、「扁桃体の活性化」に伴う不安・恐怖の暴走がある。

依存症の脳。「前頭前野の機能低下」と「大脳辺縁系の暴走」

その不安・恐怖・不全感・劣等感が増大する中で、快感・優越感(ドーパミン放出)を求めて無意識の内に行動を起こし、1度その『報酬系の回路』が出来上がると、その“快感”を求めて「やめたくても、やめられない」状態になり、自分の行動を制御・抑制できなくなっているのである。

ストレス・寂しさ・不安などを軽減させるために、快感を求めて行動を起こす。1度『報酬系の回路』ができるとやめたくてもやめられなくなり、行動がエスカレートして行く。

◉その2.『脳の依存状態』と「被害妄想」••••[依存行動の正当化]

“依存症”は『ドーパミン』が大きく関係していることが言われている。

ドーパミン』は快感・優越感をもたらす神経伝達物質で、ストレスが増大し、不安・恐怖が暴走する中で、依存行動(いじめ・差別・パワハラ・誹謗中傷・万引き・痴漢など)をすることで、快感・優越感(ドーパミン放出)を得ようと、身体が無意識の内に動いてしまうのである。

それと同時に『ドーパミン』が過剰になると“妄想・幻覚”が酷くなることも知られている。

ドーパミン過剰分泌が、幻覚・妄想が酷くなる原因と考えられている。

つまり、不安・恐怖を軽減しようとする心理的カニズムの中で、何か大きなもの、権力者・強者・教祖に「依存・同一化」するとともに、その依存行動を正当化するために、心の中の不安・恐怖を投影した幻覚・妄想を作り出す。例えば、悪魔や幽霊や妖怪や仮想敵・対立組織を作り出すことで、自分の行動(依存・同一化)を正当化しようとするのである。

依存行動を正当化するために、不安・恐怖を投影した悪魔・仮想敵を作り出す。

例えば、煽り運転を繰り返す人は、自分が先に煽られたと言う。体罰・虐待する人は、自分が先に攻撃されたと言う。また、ネトウヨ・カルトも自分達は攻撃されている、差別されていると言って差別・ヘイトを正当化する。つまり、『依存行動』と『被害妄想』は表裏一体の関係にある。そして、それは「ドーパミン過剰分泌」と関係がある。

◉その3.『脳の依存状態』と「優越の錯覚」••••[ダニング=クルーガー効果。葛藤の低下]

また、『ドーパミン』は「優越の錯覚」とも関係していることが言われている。

「優越の錯覚」とは、“他者との比較において、自分は平均より優れている”と思う心の錯覚で、“『前部帯状回』と『線条体』の機能的結合が弱い→ドーパミンD2受容体密度が低い→ドーパミン放出量が多い→「優越の錯覚」が強い”という傾向がある。

『優越の錯覚』と「ドーパミン放出量」の関係

www.jst.go.jp

そのことは、「脳の依存状態」が進めば進むほど、「前頭葉」と「報酬系」の機能的結合が弱まり、ドーパミン放出量が増加し、心の葛藤が無くなり、「優越の錯覚」が強くなることを意味している。

つまり、「依存」が強く、神や国家と同一化している人ほど、「優越の錯覚」「他責思考」が強くなる。

「優越の錯覚」と「依存」の関係。「無知の無知」と「無知の知」の関係。

脳の抑制機能が低下し、不安・恐怖が増大すればするほど、“国家・権力者・教祖・強者”と同一化し、規則ルールを絶対化し、それを他者に強制することで、快感・優越感を得ようとしているのである。(とんでも校則、経営計画書(BM)、国旗国歌条例(大阪)、マスク警察、自粛警察、PCR抑制論、ボランティアバッシング、冷笑主義、私人逮捕、改憲など)

◉まとめ.「ネトウヨ・カルト」が生まれる仕組み••••[不安・恐怖・不全感・劣等感を軽減しようとする防衛本能]

以上のことから、〘脳の依存状態〙=「集団主義帰属意識」「被害妄想・他責思考」「優越の錯覚・選民思想」は、相関関係にあると仮定できる。

そしてそれは、「心の中の不安・恐怖を払拭し、自分の行動を正当化したい」という防衛本能から来ている。

『ピラミッド支配構造』の管理競争社会の中で、「負けてはいけない、逃げてはいけない。教祖に認められたい。人の上に立ちたい。金持ちになりたい」というようなストレスが強まるとともに神経伝達物質のバランスが崩れ、不安・恐怖が高まり、それを軽減しようとすら防衛本能が働き⋯

その1.【集団主義帰属意識】(集団への依存・規則の絶対化)が強くなり、
その2.【優越の錯覚・選民意識】(自分は優れている。選ばれた人間)が強くなり、
その3.【被害妄想・他責思考】(自分は攻撃されている。自分は悪くない)が強くなる。

そうして御用学者・ネトウヨ・カルトが生まれる。

御用学者・ネトウヨ・カルト
【権力志向】と 『御用学者』

そうして脳が『依存状態』になっていくと、客観的・俯瞰的視点が失われ、論理的・体系的・多角的・科学的思考ができなくなる。

『ピラミッド構造社会』の中で「他者に勝ちたい、権力者に認められたい。人の上に立ちたい」という欲望(優越欲求・承認欲求)の中で、その支配構造を正当化しようとする『認知バイアス』が働くと同時に、それを壊そうとする者、否定する者たちに対して嫌悪感を示す。

そこでは自分の保身と、権力者・企業・組織を守ることが全てとなる。(例;水俣病における御用学者→「工場排水が原因でない。貧乏人が腐った魚を食べたためだ。批判者は外国に操られている」)

水俣病」と『御用学者』(田宮委員会)

そこでは、物事を一面的にしか見れなくなっている。思考が「敵が味方か、善か悪か」の二項対立に陥り、「自分の行動を肯定する者」=『善』、「自分の行動を否定する者」=『悪』となる。「権力・組織・教祖を守ろうとする者」=『善』、「批判・否定する者」=『悪』となる。

御用学者・ネトウヨ・カルトの精神構造。依存の正当化。

そこでは、自分の依存を正当化しようとするあまり、一面的にしか物事を見ることができなくなる。都合の良いことばかり見て、都合の悪いことは見ない。

そこでは、“権力者に気に入られること”が全てとなり、権力者に“媚を売る”と同時に、反対者・被害者・少数者に対して、より過激に“攻撃・誹謗中傷”することで、仲間に自分の『存在価値』を誇示しようとする。

自分の行動を正当化するために、他者を攻撃・誹謗中傷する。

“強者・権力者・独裁者”を支持し、“弱者・少数者・批判者・被害者”を攻撃することで、自分が“強者”になったように錯覚し、気持ちが良くなっている。

しかし、どんなに弱者・少数者・批判者・反対者を攻撃しても、潜在意識の中の不安・恐怖・不全感・劣等感・罪悪感は収まることはない。自分の置かれている状況(抑圧・ストレス・強迫観念)は改善することはない。

どんなにいい大学に入っても、馬車馬のように働き続けてカネを稼いでも、高級車を乗り回しても、たくさんの異性にモテたとしても、決して心は豊かにならない。満足できない。

どんなに薬を飲み続けても、どんなに弱者を“いじめ・虐待・パワハラ・誹謗中傷”しても、どんなに批判者や外国人を追い出しても心の中の不安・恐怖は収まることはない。

それは「脳の病気(依存症)」なのだから、その病気を治さない限り無くならない。

どんなに都市開発しタワマンだらけになっても、地方の隅々まで新幹線が通っても、リニアが開通しても、原発再稼働しても、財政拡大させても、老人が全部いなくなっても決して日本は豊かにならないし、満足することはない。

強迫観念に取り憑かれ、常に自然を破壊し、開発し続け、反対者・少数者を叩き続けなければならない。

それと同じように、例えばロシアや中国・北朝鮮大日本帝国のように、どんなに軍備増強し、核武装しても決して安心することはない。むしろ心の中の不安・恐怖(被害妄想・猜疑心)は膨張・暴走し続け、常に誰か(仮想敵)を攻撃し、侵略し、批判者を粛清し続けなければならない。

そこでは無意識に『悪い自分』を投影した生贄・仮想敵を作り出し、攻撃することで、心の中の不安・恐怖を軽減し、安心感・優越感を得ようとする心理的カニズムが働いている。→【防衛機制

防衛機制】とは何か?――『善悪二元論

防衛機制】とは、「不安・恐怖・不全感・劣等感を軽減しようとする『心理的カニズム』

管理競争社会の中で、体罰・虐待・過干渉などのストレスに晒され続けると脳の抑制機能の成長が抑えられ、「自立」することが困難になる。1つの価値観〔比較・競争・優劣・学歴⋯〕に凝り固まり、生きる選択肢が狭まり、融通が利かなくなる。共感能力が崩壊し、相手の立場に立って考えることができなくなる。

その『ピラミッド支配構造』の檻の中で、『良い(褒められる)自分』と『悪い(怒られる)自分』、あるいは「こうなりたい」という『理想の自分』と、「思うようにならない」という『現実の自分』との不協和が拡大していくと、そこから生じる不安や苦痛や劣等感や罪悪感を軽減しようとる圧力が強まっていく。

『理想の自分』と『現実の自分』の間の認知的不協和が拡大し、不安・恐怖・苦痛が増大していくと、それを軽減しようとする心理的圧力が強まる。

その不安や苦痛や不快感や劣等感や罪悪感を軽減し、自分の行動を正当化しようとする無意識的な『心理的カニズム』を【防衛機制】という。

防衛機制】とは、受け入れがたい状況、または潜在的な危険な状況に晒された時に、それによる不安を軽減しようとする無意識的な『心理的カニズム』

防衛機制の例

では具体的にどんな防衛機制が働くだろうか?

【分裂(防衛機制)】と「善悪二元論」の関係

分裂(Splitting)

自己に対する良いイメージ、悪いイメージを別のものとして隔離すること。良い部分が悪い部分によって汚染、破壊されるという被害妄想的な不安があるため、分けることで良い部分を守ろうとする。悪い部分はしばしば他者に投影される。

分裂は、全てを善か悪かで判断してしまう。悪が善を汚染してしまうのではないかという恐怖から、善と悪を分裂させて善を守ろうとしているのである。

多重人格(二重人格)とも関連性がある。

分裂(Splitting)の具体例
・恋人の悪い面を認識したくないために、悪い面を無視して見ないようにする。
・有名人に対して、ある人に対しては良い側面ばかり見て心酔する一方で、別の人に対しては悪い側面ばかり見て誹謗中傷する。良い側面と悪い側面を同時に見て評価することができない。
・自分が持っている欠点や反省すべき悪い面を認めずに、その欠点や悪い面を周りの人間に対して投影して責任転嫁する。

物事にはすべて『良い側面』と『悪い側面』があるが、ピラミッド支配構造の管理競争社会の中でストレスが増大するに伴って脳の抑制機能が低下し、分裂が起こると、多角的に物事を見ることができなくなる。

そこでは“善か、悪か”、“敵か、味方か”の二分割思考(善悪二元論・白黒思考・0か100思考)になる。

それは「親から認められたい。否定されたくない。怒られたくない」という不安・恐怖の中で、『良い(褒められる・認められる)自分』と『悪い(怒られる・否定される)自分』に分裂させ、自分の『良い側面』しか見えなくすることによって、『悪い側面』によって自分が否定される不安・恐怖・苦痛を軽減しようとする『心理的カニズム』から来ている。

分裂のメカニズム

認知的不協和(ストレス・不安・恐怖・苦痛)
認知1《社会的抑圧・同調圧力》皆と同じでなければならない。
認知2《良い自分》褒められる。勝つ。強い。優秀。
認知3《悪い自分》怒られる。負ける。弱い。劣等。

この認知的不協和を軽減するためにはどうしたらよいか?

それには、まず《良い自分》と《悪い自分》を分裂させる。

不安・恐怖を軽減しようとする『防衛機制』。《悪い自分》分裂させ、見えなくすることで《良い自分》の儘でいられる。優越感・万能感を得られる。

そして、《良い自分》を権力者・教祖・強者と同一化するとともに、《悪い自分》を潜在意識の中に閉じ込め、同時に、その《悪い自分》を他者に投影し、責任転嫁し、差別・攻撃することで、不安・苦痛を軽減しようとする。

そうしてピラミッド支配構造の中で「自分こそ善、優れている、強い、美しい、尊い」と思い込むとともに、「反対者は悪、劣っている、弱い、醜い、汚い」と認知を変更する。

防衛機制』 【分裂】(善悪二元論

そこで、自分の行動・価値観こそ『善』であり、それを否定するものは『悪』となる。「ピラミッド支配構造に服従する」=『善』であり、「ピラミッド支配構造を批判する」=『悪』となる。

そうして、【善悪二元論】が生まれる。

善悪二元論】自分の行動は善、反対者は悪。

例えば学歴社会の中で、いい学校に入る為に必死に受験競争に打ち込んできた人にとって、学歴社会や受験競争を否定することは、自分がやってきた行動=自分の存在そのものを否定することになる。そうなると「学歴社会・受験競争・格差社会」=『善(勝ち組)』であり、それを否定する「平等・ゆとり教育・個性・自主性尊重」=『悪(負け組)』となる。

体育会系で、“オリンピック”や“甲子園”を目指し必死にやってきた人にとって、それを否定されることは、自分の行動を否定されることと同義であり、その人達は『悪(敗者)』となる。

そのピラミッド支配構造の中で、「権力者に服従する」=『善』であり、「反抗・批判する」=『悪』となる。「国旗国歌・靖国神社教育勅語」=『善・愛国者・美しい・強い・勝者・日本人』であり、「反対者」=『悪・反日共産主義者・醜い・汚い・弱い・敗者・日本人ではない』となる。

神と同一化し、反対者を攻撃することで優越感を得ようとする。

その行動は心の中の不安・恐怖・劣等感から来ている。

それは、『カルト宗教』についても同じことが言える。

心の中の不安・恐怖・不全感・劣等感・罪悪感が増大する中で、それを軽減するために、神・教祖を崇拝し、服従することに自分の存在意義・安心感を見つけようとする。そして忠誠心を示すために、布教活動や多額のお布施を熱心にやろうとする。

そこでは、「自分達は正義。神に選ばれた人間。美しい」=『善』と思いこむと同時に、「批判者は悪魔。共産主義に操られている。自分達を貶めようとしている。嘘つき。醜い」=『悪夢』に見える(妄想・幻覚)。

それは官僚組織でも、独裁国家でも、ブラック企業でも同じ。そのピラミッド支配構造の中で権力者に認められようと必死にやっているうちに、その行動を正当化するために、否定的な意見に対して、「自分を陥れようとしている。外国に操られている。スパイだ。共産主義者だ」というような被害妄想に取り憑かれ、防衛本能から口汚く相手を攻撃しようとする。

それらは、自分の行動を正当化し、不安や劣等感を軽減しようとする『防衛機制』から来ている。「国の為、子供達の為にやっている。自分こそ正義・愛国者。反対者は悪・反日共産主義者」と主張することによって、自分の『既得権益(ピラミッド支配構造)』を守ろうとしているのである。

 

【認知的不協和理論】日本型ファシズムの成立【心理的メカニズム】――②「保守派」と「リベラル」の【脳の構造】の違い。

「保守派」と「リベラル派」の違いはどこから生まれてくるのか?

【認知的不協和】『ピラミッド思考』と『フラット思考』 

人は生まれたときから、“ピラミッド支配構造”の管理競争社会の抑圧(ストレス)の中で生きていかなければならない。その中で様々な【認知的不協和(矛盾)】が生じてくる。

《古い認知(ピラミッド思考)》管理・競争・支配・服従
「競争に勝たなければならない」「強くなければならない」「負けたら生きる価値がない」「失敗は許されない」「レールを外れたり、逃げたら負け」「規則ルールを守らなければならない」「親(先生・上司)の言うことは絶対。反抗してはならない」「皆と同じでなければならない」「国家・組織に忠誠を誓うのは当然」「男らしく、女らしく」⋯など

その抑圧が強まる中で「理想の自分」と「現実の自分」、「自分の価値観」と「社会の価値観」、「自分がやりたいこと」と「親がやらせたいこと」などの様々な不協和が拡大し、心の中に不安・恐怖・苦痛・後悔・罪悪感・不全感・劣等感などが増大していく。

認知1;《社会的抑圧・同調圧力》規則の絶対化、競争に勝たなければならない。皆と同じでなければならない。
認知2;《理想の自分》他者に勝つ、成功、褒められる、皆に認められる。強い、美しい自分。
認知3;《現実の自分》他者に負ける、失敗、怒られる、皆に否定される。弱い、醜い自分。

この認知的不協和の中で、様々な問題が生まれてくる。

ピラミッド支配構造の中で社会的抑圧・同調圧力が強まれば強まるほど、承認欲求や優越欲求(攻撃欲・支配欲)が高まり、その鬱屈のはけ口として、弱者への虐待やいじめやパワハラやセクハラや差別、誹謗中傷、非行や自殺や精神的な病気、また、不正や嘘や詐欺やカルト宗教や戦争が蔓延する。

そして、やがてその『負のスパイラル』の中で『古い認知(ピラミッド思考・縦社会・権威の絶対化)』に疑問を持った者の中から、暴力の連鎖を断ち切るために『新しい認知(フラット思考・横社会・自由と平等)』が生まれてくる。

人は自分の行動を正当化するために認知を変更する。

《新しい認知(フラット思考)》自由・平等・協調共生
「“競争”より“ゆとり”」「1番でなくても良い。失敗しても良い」「自分の意見を言っても良い。批判しても、反抗しても、逃げても良い」「甘やかしても良い。個性・自主性の尊重。生きる力・自己肯定感(尊厳)の育成」「自由・平等。格差是正。富の再分配」「経済成長・開発より人権尊重・自然保護。持続可能社会の実現」「性教育推進。体罰禁止。死刑廃止⋯」など

その『ピラミッド思考』と『フラット思考』の対立の中で、自分の“行動”を正当化するために『古い認知』を絶対化しようとする「保守派」と、その『古い認知』を懐疑し、『新しい認知』を取り入れ、改革していこうとする「リベラル派」に分かれていく。

ピラミッド構造社会(縦社会)=権威を絶対化し、既得権益を守り、国旗国歌・靖国神社を強制しようとする「保守派・御用学者・ネトウヨ改憲派」に対して、その構造を改革し、権力者の責任を追及し、フラット構造社会(横社会)=自由・平等・人権尊重・差別解消・協調共生・自然保護・平和主義を目指そうとする「リベラル派・護憲派」に分かれる。

国家・権力者と自分を同一化しようとする「保守派」と、国家から自立しようとする「リベラル派」に分かれる。

その「保守派」と「リベラル派」に分かれる原因はどこから来るのか?

【脳の構造】「保守派」と「リベラル」の違い

英ロンドン大の研究によると

“リベラル派であるほど『前帯状皮質』の灰白質の容積が大きく、保守派であるほど『右扁桃体』の容積が大きい傾向があることがわかった”

“『前帯状皮質』は複雑性の理解に関連しており、大きい人ほど不確実性や対立への認容性が高く、目新しいものや不確定さを追求する”(→リベラル)

それに対し
“『扁桃体』は恐怖心の処理に関連しており、これが大きい人ほど、反感や脅すような表情に敏感で、危機的状況・悪いことが起きそうな状況に対して身体が攻撃的に反応する傾向がある”(→保守派)

www.afpbb.comその【脳の構造】を図で表してみると、↓のような傾向があると言える。

リベラル派と保守派、脳構造に違いがあった 。
保守派は不安・恐怖に敏感で、変化を嫌い、規則・秩序に拘り、攻撃的・排他的になりやすく、
リベラル派は変化を好み、不確実性に寛容で、対立を避け、協調・共生を目指す。

参考図)前帯状皮質扁桃体の関係。
睡眠不足になると前帯状皮質の制御機能が弱まり情緒不安定になる。
睡眠不足で不安・抑うつが強まる神経基盤を解明

つまり、「保守派」は周囲の脅威に敏感で、自分の存在を守ろうとする防衛本能(不安・恐怖)から、集団主義権威主義全体主義・排外主義的な行動をとりやすい。縁故主義・友達優遇・地位保身に走り、規則の絶対化・家父長制・男尊女卑・夫婦同姓・スパイ防止法・厳罰化・軍備増強などを主張し、他者に強制し、異質者を攻撃・排除することで仲間意識を高め安心しようとする。

それはつまり、『問題』が生じたとき、あるいは『脅威(不安・恐怖)』に襲われたとき、『認知的不協和』が拡大したときの脳の反応と、それにどう対応し、どう行動するかによって、「保守派」と「リベラル派」に分かれる、と言える。

【認知的不協和】『他責思考』と『自責思考』

認知的不協和が拡大したとき⋯、失敗、敗北、挫折などの自分の思い通りに行かないとき、問題や事故が起こったとき、どのようにしてその不協和を解消しようとするか?

①『ピラミッド支配構造』を絶対化し、国家・権力者と同一化し、「自分は間違っていない。他者が悪い。誰かの陰謀だ」と思うのか、
②『ピラミッド支配構造』を懐疑し、弱者・反対者と同一化し、「自分は間違っていた。行動を改めよう」と考えるのか。

それはその人の《脳の構造》によって決定されると言って良い。

それが地球温暖化、公共事業、五輪万博IR・原発・リニア・辺野古埋立、“LGBT法”や“夫婦別姓”への対応になって表れる。

それが「保守派」と「リベラル派」、あるいは「改憲派」と「護憲派」に分かれる原因となる。

つまり、それは言い換えると、人間は昔から、どの時代も、どの地域・国でも、どの宗教・政治体制でも、「保守派」と「リベラル派」に分かれている(分けることができる)と言うことができ、そして、それは『脳の構造』に依存している。

【脳の構造】『理性』と『本能』の関係

脳の成長と『理性』と『本能』の関係

脳は「知性・社会性等」を司る『理性』と、「感情・欲望等」を司る『本能』に分かれていて、『本能』から湧き出る「感情・欲望」を『理性』が制御コントロールすることによって、 人は思考・判断・決定し、行動を起こす。

脳の構造。『理性』と『本能』の関係。

『本能』から湧き出る、「○○が欲しい」「△△をしたい」とか、「他者に勝ちたい」「金持ちになりたい」というような《感情・欲望》に対して、“その目的を達成するためにはどうしたら良いか⋯” “今これをしたらどうなるか⋯”など、様々な選択肢の中から『理性』が客観的・俯瞰的・多角的に見て考える。

そこで「今は必要ない」「身体に害をなす」 などと欲望や感情や行動を抑制したり、「他者に迷惑をかけた」「失敗した」などと過去の行動を反省し、もう二度とやらないように注意したり、逆に 「こうすれば解決する」「こっちの方法が良い」などという意欲・創意・工夫が出てくる。

脳の発達ー「自立するということ」

子供の頃は『大脳辺縁系(本能)』の比重が大きく、生きていくためには、「親に守ってもらいたい。甘えたい。 構ってもらいたい」という思いで一心だったのが、思春期(反抗期)の頃から『前頭葉(理性・抑制機能)』が発達するに連れ、視野を広げ、自分で生き方を判断・選択できるようになり、親の「命令・期待」に対して自分の「意志・信念」を守ろうとする《自立心》が生まれてくる。

脳の成長速度の違い。

遊びや勉強など、社会で生きていく中でいろんな興味や疑問を持ち、冒険や試行錯誤、失敗や挫折をくり返しながら、危機や困難にぶつかった時、「どうしたら解決できるか?」という、いろんな選択肢や可能性を“柔軟”に広げることができるようになる。

そうして人は、経験の中で前頭葉(抑制機能・葛藤)が発達していくことで『自立』していく。

◉自立とは
・依存先を増やす
・生きる選択肢を増やす
・自分を客観的・俯瞰的に見ることができる
・相手の立場に立って考えることができる
・自分の行動を抑制できる

自立とは依存先を増やすこと。

しかし、その脳の成長(思考の深さ・柔軟さ)には個人差がある。

大人になっても、一面的・短絡的思考で、善悪二元論・白黒思考でしか物事を捉えられない人、規則ルールを絶対化し、それを人に強制しようとする人、相手の立場に立って考えられず、すぐにキレる人、常に自分の利益を追い求め、他者には厳しく規律を求めるのに、自分の欲望・行動を抑制できない、自分の責任を認められず、すぐに他者に責任転嫁しようとする人もいる。その個人差はどこから来るのか?

神経伝達物質バランスの異常

その「理性」と「本能」の関係(脳神経ネットワーク)を形作っているものは“神経伝達物質”である。

神経伝達物質

そして、その神経伝達物質のバランスは『遺伝的要因』と『環境的要因』で決まり、その中でもストレスへの耐性を決める要因として幼少期の育った“環境”が大きく影響し、特に《不適切な養育(マルトリ)》によって『脳の構造』が大きく変わってくる。

人間は『強いストレス』がかかったり、『日常的・慢性的なストレス』がかかり続けると、身体がそれに反応し、神経伝達物質のバランスが変化する。

ストレスがかかると、ドーパミンノルアドレナリンが過剰分泌され、セロトニン欠乏が起こる。その反応は、本来、脳を覚醒させ、集中力・判断力を高め、やる気・意欲・闘争心を向上させる。それは危機に対応するための『防衛本能』であるが、一方で、それが慢性的に続くと「不安・恐怖」を感じる『扁桃体』が活性化され、過敏になる。

そうすると、ちょっとしたことでストレスホルモンである「コルチゾール」の分泌量が増加し、その濃度が上昇するにつれて、徐々に脳の神経細胞の活動が低下し、海馬が萎縮し、前頭葉の機能が低下し、感情の制御ができなくなる。

ストレスにより扁桃体が活性化され、コルチゾールが分泌され、前頭前野や海馬が損傷・萎縮する。

そのことが、理性的・合理的・抑制的な判断ができなくなり、すぐにキレたり、非行に走ったり、自殺する原因となる。

よく犯罪を起こした人⋯体罰・虐待・あおり運転・窃盗・性犯罪・レイプ・不正汚職事件など、「覚えていない。記憶にない」と否認し、嘘を付き、「自分は悪くない。相手が悪い。秘書が勝手にやった。誰かが自分を陥れようとしている」と、責任を他者になすりつけ、自分の責任を矮小化ようとする。

それは

1:前頭葉の(認知・抑制)機能低下
2:扁桃体(不安・恐怖)の過敏・暴走・機能異常
3:報酬系(線条体側坐核)の活性化・暴走・機能異常
4:(短期的な記憶や情報を制御する)海馬の損傷

などの脳のネットワーク・バランス異常が影響していると考えられる。

そのために、自分の行動を客観的・俯瞰的に認識できなく、行動を反省し、欲望を抑制できなくなっていると同時に、都合の悪い記憶を消し去り、都合の良いように書き換える。現実と妄想・願望の区別がつかなくなる。

前頭葉の機能低下するとキレやすくなり、嘘つきになる。→《サイコパス

『感情・欲望』が暴走する中で、自分の行動を正当化するために平気で嘘をつく“サイコパス”になる。嘘をつくことに葛藤がなくなり、嘘と現実の区別がつかなくなり、罪悪感や良心の呵責がなくなる。

息を吐くように嘘をつく。嘘をついているという自覚がなくなる。

サイコパス』と【脳の構造】

サイコパス」は反社会性パーソナリティ障害として分類され、良心の呵責・罪悪感・共感性の欠如といった特徴がある。

サイコパス傾向が高いほど嘘をつく際の反応時間が速い傾向にあり、また葛藤の検出などの心理過程に関わるとされる『前部帯状回』の活動が低いことが明らかになりました。

サイコパスは、ためらうことなく半ば自動的に嘘をついてしまう傾向があり、その脳のメカニズムとして『前部帯状回』の活動低下がある。

サイコパスがためらいなく嘘をつく脳のメカニズムを明らかにしました/京都大学

www.kyoto-u.ac.jp

サイコパスの大きな心理的特徴として「・共感性が低い ・衝動性が強い ・攻撃性が強い」というのがある。

『腹内側前頭前野』と『報酬系』の結びつきが弱いと、報酬を目の前にするとドーパミンが多量に放出され、テンションも上がりやすい。なおかつ感情の抑制機能も弱い。

これらのことからサイコパスは報酬を目の前にした時、人一倍衝動的になるのではとないかと考えられている。

サイコパスとは?その心理的特徴、仕組みと接し方など解説 - Lab BRAINS

サイコパスとは?その心理的特徴、仕組みと接し方など解説 - Lab BRAINS「罪なきものだけが石を投げよ」という言葉がある。私自身、誰かに石を投げるのは得意ではない。誰かに起こることは自分にも起こるlab-brains.as-1.co.jp

サイコパスは非サイコパスの対照群と比較して、脳の『線条体領域』が平均で約10%大きいことが判明した。これまでの研究で、サイコパスの脳では線条体が過度に活性化していることが指摘されていたが、その大きさが行動に及ぼす影響について決定的なことは分かっていなかった。

サイコパスとは一般的に、自己中心的で反社会的な性格をもつ人物と定義される。彼らは通常、自分の行動に対する後悔の念の欠如、他者への共感の欠如、そして犯罪傾向によって特徴付けられる。

線条体は、大脳皮質と視床・脳幹を結びつけている大脳基底核の一領域で、運動および行動の企画、意思決定、動機づけ、強化、報酬の認識など、認知に関する多面的な調整を行う。

サイコパスの脳→線条体領域が大きい可能性 シンガポール南洋理工大学

spap.jst.go.jp

線条体』が活発な人は、刺激欲しさにスリルある行動に出たり、衝動的な行動を起こしやすい傾向にある。

しかし通常、線条体は大人に成長するにつれて小さくなる。この事実から、サイコパスの脳は、子供から思春期にかけて正常に発達しなかった可能性がある。

サイコパスの脳の違いを発見。一般の人に比べ線条体が大きいことが判明 : カラパイア

karapaia.com

衝動的・反社会的傾向は『線条体』が大きさと、ドーパミン放出回路の報酬予想に関わる『側坐核』の脳活動の増加と強く相関している。

また、線条体の活動は、社会的・道徳的意思決定・恐怖学習・共感的反応に関わる『腹内側前頭前野』によって制御されるが、その結びつきが弱い。

サイコパスの脳内で何が起こるのですか? - JAMedBook

jamedbook.com

刑務所の受刑者の脳を測定した結果、サイコパスの精神病質レベルが高い受刑者ほど、脳の『腹側線条体』という領域が活発で、すぐに報酬をもらう選択をする傾向にあった。

また『腹側線条体』と『腹内側前頭前皮質』という別の領域とのつながりが通常よりかなり弱いことも判明した。腹内側前頭前皮質は”精神の時間旅行”、すなわち行動の将来的な結果について考える能力に関連する領域だ。

これらの発見は、サイコパス反社会的行動が、彼らの脳が目先の報酬を過大評価し、同時に将来的なコストを無視してしまうことに起因すると示唆している。

サイコパスとされる個人の意思決定パターンは、薬物の乱用・過食・ギャンプル依存症といった自己破壊的行動をとる人々のそれとそれほど変わりません。サイコパスになるかどうか分けるのは、感情の欠陥といったことかもしれません」とバックホルツ氏。

サイコパスの脳から明らかになった反社会的行動の秘密:カラパイア

karapaia.com

阿部修士特定准教授らの研究グループは、機能的磁気共鳴画像法と呼ばれる脳活動を間接的に測定する方法と、嘘をつく割合を測定する心理学的な課題を使って、正直さ・不正直さの個人差に関係する脳の仕組みについて解明しました。

世の中には正直者と嘘つきがいるが、どうして個人差があるのか。
報酬を期待する際の『側坐核』と呼ばれる脳領域の活動が高い人ほど嘘をつく割合が高い。

さらに、側坐核の活動が高い人ほど、嘘をつかずに正直な振る舞いをする際に『背外側前頭前野』と呼ばれる領域の活動が高い
どうして正直者と嘘つきがいるのか? -脳活動からその原因を解明-:京都大学

www.kyoto-u.ac.jp

自分は平均より優れていると思う「優越の錯覚」は『前部帯状回』と『線条体』の“機能的結合”の度合いと相関関係にある。

・機能的結合が弱いと、優越の錯覚は強い
・機能的結合が強いと、優越の錯覚は弱い

そして、この機能的結合は、線条体ドーパミン受容体密度に依存している。

「自分は平均より優れている」と思う心の錯覚はなぜ生じるのか—脳内の生物学的仕組みを世界で初めて発見—:JST

www.jst.go.jp以上などのことから

サイコパスは、脳の『報酬系(線条体・即座核)』と『前頭前野・前部帯状回(抑制機能)』の関係(バランス)において、『報酬系』の増大・暴走と『抑制機能』の機能低下がある。

そうなると、
・迷惑行動を注意されたら、すぐにカッとなって相手を攻撃する。
・自分が侮辱(否定)されたと感じたとき、暴力に走る。(煽り運転体罰・虐待)
・不正が発覚したとき、すぐに嘘をつき、証拠を隠蔽・廃棄し、責任逃れをしようとする。
・何か問題が起き、うまく行かないと、「自分は悪くない。悪いのは他者である」 と攻撃的になり、他者に責任を被せようとする。(他責思考)
・「自分は正しい、間違わない」という『優越の錯覚』が強くなる。

それが、日本批判に対して、「日本は悪くない、悪いのは外国だ!」「日本を貶めようとしている。日本人ヘイトだ!」となる。

ここから分かるのは、自信満々で饒舌で「優越の錯覚」が強い人ほど、平気で嘘をつける傾向があり、その背景には『前頭前野・前部帯状回(葛藤)』の機能低下がある。

またそれが、人が「保守化」する原因ともなる。

人は、自分の行動を正当化するあまり、責任を相手に押し付け、激しく相手を攻撃しようとする

そこでは“受験競争”の中で勝ち残っていったエリートが、権力者や組織を守る為に平気で嘘をつき、不正を働くようになる。

サイコパス



参考)

karapaia.com

science.srad.jp

journals.plos.org

www.jst.go.jp


けろっち
twitter https://twitter.com/KaltoChan

 

【認知的不協和理論】日本型ファシズムの成立【心理的メカニズム】ーー①『認知的不協和理論』ー「人は自分の行動を正当化するために認知を変更する」

【認知的不協和理論】とは?

【認知的不協和理論】とは?

【認知的不協和】とは、人が自身の認知(理解・知識・信念・価値観・行動など)とは別の矛盾する認知を抱えた状態、またそのときに覚える不快感やストレスを表す“社会心理学用語”。

アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーによって提唱された。

それによると、人はその不快感やストレスが高まると、それを解消しようとする心理的圧力がかかり、矛盾する認知の定義を変更したり、過小評価したり、自身の考えや態度や行動を変更しようとする。

その考え方を【認知的不協和理論】という。


f:id:kaltochan:20240616074006j:image
f:id:kaltochan:20240615183927j:image

フェスティンガーによる認知的不協和の仮説(命題)

①不協和の存在は、その不協和を低減させるか除去するために、なんらかの圧力を起こす。
つまり、複数(通常は二つ)の要素の間に不協和が存在する場合、一方の要素を変化させることによって不協和な状態を低減または除去することができる。

②不協和を低減させる圧力の強弱は、不協和の大きさの関数である。
つまり、認知的不協和の度合いが大きければ、不協和を低減させる圧力はその度合いに応じて大きくなる。

認知的不協和 - Wikipediaja

f:id:kaltochan:20240616093911j:image

人は小さい時から、「○○でなければならない」とか「✕✕してはいけない」というように教えられ、それを守って行動している。しかし、それは個人によって、国・地域によって、時代によって違っていて、自分が思い込んでいる『価値観・信念・行動』と違った他者を見たとき、心の中で“不安・恐怖・不快感・苦痛・怒り”などが湧いてくる。

例えば見知らぬ地域で、違った格好をしている人、違った地方から来ている人、外国人を見ると、無意識の内に“不安・恐怖”を感じ警戒して行動する。

同じように、自分は「△△しなければならない」と思い込み、一生懸命行動しているのに、他者が「別に△△しなくても良い」「△△するな」と言ったり、また、他者に「〜して欲しい」と思っているのに、しなかったとき不快感や怒りが湧いてくる。

逆に、同じ出身地の人や、同じ行動を取る人、同じ価値観の人、同じ趣味の人に合うと“安心感・快感・喜び”を感じ、そこで集団を作ろうとする。

例えば、違った方言の人を見ると不安・恐怖を感じ警戒するし、逆に同じ方言の人を見ると安心・快感を感じ喜ぶ。

つまり、そのことは、人は無意識のうちに『不協和状態』を避け、『協和状態』を作ろうとしているのである。

 

【認知的不協和】を解消しようとするする行動

1;人は不協和があるとき、その不協和を低減・解消させるために何らかの圧力(行動)を起こす。

具体的には“古い認知”か“新しい認知”のいずれかを否定する傾向にあり、

①“新しい認知”を取り入れ、“古い認知”を変える。
②“古い認知”に拘り、“新しい認知”を否定する。

そのどちらかのことが多い。その場合、比較的「変えやすい」方の認知を変えることで、「絶対に変えられない」認知を正当化しようとする。

そして、自分のその行動(選択)を正当化するために

③都合のいい情報ばかりを集めたり、解釈を改変することで都合の悪い情報を否定したり、矮小化したりすることで不協和を低減し、解消しようとする、(合理化)

人は無意識の内に不協和状態(不安・恐怖・不快感・苦痛・怒り)を解消し、協和状態(安心・満足・快感)に持っていこうとする。

2;不協和を低減させる圧力の強弱は不協和の大きさの関数である

不協和の度合いが大きいほど、それに比例して低減させようとする圧力は大きくなる。

●『自分の価値観(行動)』と『周りの価値観(行動)』との不協和が大きいほど⋯
●『理想の自分』と『現実の自分』との不協和が大きいほど⋯

心の中の『不安・恐怖・不全感・劣等感・不快感・ストレス・怒り』が大きくなり、それを解消しようとする圧力が高まり、冷静になって客観的・論理的・合理的・体系的な思考ができなくなり、快感を求めて、短絡的・衝動的・攻撃的・破壊的・暴力的行動をとりやすくなる。


【認知的不協和】の例

ⅰ.タバコの例

認知的不協和の例として、よく知られるのがタバコ。

認知1;自分はタバコを吸う。(行動)
認知2;タバコを吸うと肺ガンになりやすい。(新しい認知)

このとき“認知的不協和”が生じる。そこで認知的不協和を解消するためには行動(認知1)を変更して、

認知3;禁煙する。(行動の変更)

これで不協和が解消できる。

しかし、喫煙の多くはニコチンに依存する傾向が強いため、禁煙行為は苦痛を伴い、結局は「禁煙」できない人も多い。その場合は、認知2に修正を加える必要が生じてくる。そこで⋯

認知1;自分はタバコを吸う。(行動)
認知2;タバコの煙を吸うと肺ガンになりやすい。(新しい認知)←矮小化・見えなくする。
認知4; 喫煙者で長寿の人もいる。(追加)
認知5;交通事故で死亡する確率の方が高い。(追加)

「タバコを吸い続ける」という行動(認知1)を正当化するために、認知4・認知5を付け加えることで、認知2を否認したり、矮小化しようとする。そうすることで、自分にとって都合の悪いことを見えなくする。

ⅱ.「酸っぱい葡萄」の例

また同じように、イソップ童話の中に『酸っぱい葡萄』という話がある。お腹を空かせた狐が、葡萄を食べたいのに、高い所にあるために取ることができず、諦める話で⋯

認知1;葡萄が食べたい。(欲望・理想)
認知2;葡萄を取れなかった。(失敗・現実)

この不協和を解消するために、狐は『新しい認知』を追加する。

認知3;あの葡萄は酸っぱくておいしくない。(認知の追加)

そう考え、決め付ける(認知を変更する)ことで、認知2の葡萄を取れなかったという“動かすことが出来ない事実(失敗)”を正当化し、不協和を解消しようとする。

すっぱい葡萄(wikipedia

「すっぱいブドウ」は本当か?|脳科学研究所|玉川大学 研究所

ⅲ.「甘いレモン」の例

「酸っぱい葡萄」の対として挙げられるのが「甘いレモン」で、甘い果物が食べたいのに、やっと手に入れたのはレモンだった⋯

認知1;甘くておいしい果物が食べたい。(理想)
認知2;苦労してやっとレモンを手に入れた。(現実)

このとき認知的不協和が生じる。そこで

認知3;このレモンは甘い。(追加・思い込む)

「このレモンは甘い」と思い込む(認知を変更する)ことで、認知的不協和を解消しようとする。そうして、自分の行動を正当化しようとする。

ⅳ.地震の後に『デマ、噂、流言』が拡散する原因

人は自分の中の不協和が大きいほど、不協和を解消しようとする心理的圧力が強まり、冷静になって客観的・論理的・合理的な思考することができなくなり、感情的・短絡的・衝動的になる。

そうすると⋯

●『デマ・噂・流言』を信じ込みやすくなる。
●『詐欺・マルチ商法・占い・カルト宗教など』に嵌まりやすくなる。

そうすることによって、自分の中にある認知的不協和を解消しようとする。

それが地震の後の『デマ・噂・流言』が広まる原因となる。自分の中の“不安・恐怖”を正当化するために“デマ・噂・流言”を信じ、それを吹聴・拡散することで、『自分』と『周り』の不協和を解消しようとする。

地震の後の混乱の中で、

認知1;自分の中の「不安・恐怖・ストレス」の増大。(自分の感情)
認知2;周囲の人々の落ち着き、冷静さ。平穏。(周囲の雰囲気)。

「自分の感情(不安・恐怖・ストレス)」と「周りの雰囲気(平穏・平和・日常生活)」の間の不協和が拡大するうちに、自分を正当化したいという防衛本能が働き、『デマ・噂・流言』を信じ、拡散し、周囲の不安・恐怖を煽ることで不協和を解消しようとする。

認知3;また大地震が来る。犯罪者がやって来る。動物園からライオンが逃げた。外国人が攻めてくる。あれは人工地震だ!(妄想・認知の追加)

つまり、自分の心の中の「不安・恐怖・ストレス」が大きいほど『デマ・噂・流言』を信じ込み、それを拡散し、周囲の不安を煽ることで『自分の感情』を正当化しようとする。

Leon_Festinger(en.wikipedia google翻訳

en.wikipedia.org

《自分の感情・価値観》と《周りの雰囲気・価値観》のギャップ(不協和)が大きいほど、《自分の感情・価値観》を正当化しようとする心理的圧力が高まり、デマや陰謀論を信じやすくなり、それを拡散することにより認知的不協和(ギャップ)を解消しようとする。そこではしばしば理性や冷静さが失われ感情的・攻撃的になり、他者を誹謗中傷する。→朝鮮人虐殺
ⅴ.洗脳

①カルト宗教

認知1;教祖の予言「✕月○日、地球が滅びる。信者だけが救われる」
認知2;教祖を信じ、家・財産を売って、高額な献金をする。
認知3;しかし、予言が外れ、何も起こらなかった。

このとき認知的不協和が生じる。

このとき、もし認知2が少額であれば、「騙された」と信者を辞めれば良い。⋯しかし、全財産を処分し行く所がない場合、不協和を解消する手段として、“新しい認知4”を追加する。

認知4;教祖の力によって、危機を避けることができた。教祖は正しく、神の生まれ変わりである。宗教(教義)を広めることが人のため、国のためになる。(認知の追加)

つまり、行く所がなく、教団に残るという行動を正当化するために新しい認知を追加する。

ブラック企業

認知1;きつい、長時間、パワハラサービス残業
認知2;低賃金。
認知3;生活の為に金が必要。経営者に借金がある。他に行く所がない。

このとき認知的不協和が生じる。

このとき、例えば、賃金が高ければ、不協和は低く我慢ができるのだが、それは到底無理そう⋯。そうすると不協和を解消するために新しい認知を追加する。

認知4;この仕事は人のためになる。自分の将来に役に立つ。やり甲斐がある。(認知の追加、やりがい詐欺)

そうして自分の「仕事を続ける」という行動を正当化する。

つまり共通して、「カルト宗教」も「ブラック企業」も、物理的にも精神的にも逃げられない状態の中で、教祖・経営者に《服従する》ことを選択するようにコントロールされている。

体罰・虐待・DV

それは『体罰・虐待・DV』でも同じで、親・配偶者や教師・指導者に『逃げられない状態』の中で、殴られていることを正当化するようになる。

認知1;親に甘えたい。愛されたい。認められたい。(願望)
認知2;親に怒られる。叩かれる。否定される。(現実)

このとき認知的不協和が生じる。そこで、この不協和を解消するために、新しい認知を追加する。

認知3;自分が悪いから殴られているんだ。親は自分を愛しているんだ。悪い奴は叩かれて当然なんだ。(認知の追加)

そうして、いつの間にか体罰を正当化するように認知を変更する。

認知4;子供は体罰によってまともな大人になる。甘やかすと非行に走る。子供は叩き続けなければならない。体罰によって我慢強い人間に育つ。思いやりのある人間に育つ。(認知の歪み、体罰の正当化)

そうして『認知の歪み』が生じる。


f:id:kaltochan:20240616145310j:image

f:id:kaltochan:20240619000440j:image

認知の歪み;体罰の正当化。「子供は叩き続けなければ犯罪者になる」→性悪説「人間は生まれ持った悪人である」→厳罰化・規則ルールの絶対化、競争・管理・競争の正当化。→権力支配構造の正当化。→反対者は悪人である。

【認知的不協和理論】と脳の活動

『保守』と『リベラル』

【認知的不協和理論】

1;人は自分の行動を正当化したい生き物。自分の行動を正当化するために認知を変更する。
2;人は「認知的不協和」を嫌い、一番動かし難い「認知」を正当化するために、他の認知を変更する。

人は自分の行動の正当性するために認知を変更する。そして、「自分の行動は正しい」と主張するために、他者の行動を批判する。

例えば、『カルト宗教』や『ブラック企業』で、行き場がない状態で教祖や経営者・親分に従っている内に、「教祖(経営者・親分)は素晴らしい人間だ。神の生まれ変わりだ」と思い込んでいくと同時に、批判者に対して「あいつは自分達を貶めようとしている。悪魔に操られている」という被害妄想が湧いてくる。

同じように、煽り運転を繰り返す人は、「相手から煽ってきた」と言うし、体罰や虐待を繰り返す人は、「子供が言うことを聞かないので、躾のためにやった」と自分の行動を正当化しようとする。

また、人は自分が育った環境を正当化するために「日本に生まれて良かった。日本人で良かった」とか、「昔は良かった。今の若者は⋯⋯」と言いたがる。そして、他者に対して声高に「あいつは我儘だ。自分勝手だ。甘えている。考えが足りない」「○○人は野蛮で醜い。汚い」と批判、誹謗中傷することは、暗に「自分はそうではない。自分の行動は正しい。自分は美しい」ということを周りに主張しているのである。

そこには、「自分の行動を正当化したい。認められたい。否定されたくない」という『心理的カニズム』が働いている。

自分の行動を正当化するために、他の認知(価値観・信念・記憶・感情⋯)を変更し、それに合った環境に変えていこうとする。

人は自分の行動を正当化するために認知を変更する。

小さい時から良い大学に入るために必死に頑張ってきた人は、受験競争や学歴社会・学閥というものを正当化しようとし、また、体育会系でオリンピックや甲子園などを目指して必死に取り組んできた人はオリンピックや甲子園を正当化しようとする。

同じように、「金持ちになりたい、他者より裕福な生活をしたい」と思って必死に走っている人は、「経済成長より自然保護が大切」「差別は良くない。格差是正をすべき」という主張に対して激しく攻撃する。

『奴隷社会』の中で育った奴隷が、『奴隷制度』を支持し、自分が『奴隷』であることを正当化する。『差別、男尊女卑、家父長制、慣習、宗教⋯』の中で育ってきた人が、それを肯定し、その制度を守ろうとすると同時に、差別反対・男女平等・ジェンダーフリー性教育を主張する人に対して激しく攻撃する。


しかし、その硬直した社会体制の中で徐々に歪み・矛盾が拡大していくと、いずれその制度に疑問を持ち、反発する者が出てくる。

例えば、スポーツで体罰を受けてやって来た人でも、徐々に歪みが拡大していくとともに、体罰に賛成な人と、反対の人に分かれる。その『権力支配体制(既得権益)』を守ろうとする者と、反抗し、改革していこうとする者が出てくる。

その『個人差』••••••「今までの行動・体制・制度を守っていこうとするのか?」それとも、「より良い方向へ変えていこうとするのか?」の違いはどこから生まれてくるのか?


『個人差』は、どこから生まれるのか?

例えば、『保守派』と『リベラル派』を分けるものとして、「国旗国歌」に対してどう感じるか?というのがある。

①:感動し、敬意を示す。
②:何も感じない。
③:嫌悪感を示す。

また「選択的夫婦別姓」や「LGBT理解増進法」に賛成か反対か。

①反対。家族の一体感が失われる。
②どっちでも良い
③賛成。個人の意志の尊重。

さらに「体罰」について

①賛成。必要。叩くことによってまともな人間になる。
②どっちでも良い
③反対。絶対禁止。体罰によって身体・脳が壊れる。

それは人それぞれで、どっちが正しくて、どっちが間違っているというものではない。ましてや「勝った、負けた」ではない。それは自分の行動を正当化しようとしているのである。

それは「タバコを吸う」のに「賛成か」「反対か」の“違い”に過ぎない。つまりニコチン依存症の人はタバコがやめられなく、その行動を正当化するように認知を書き換えるのと同じ。

 

それは“自分の行動を正当化するために認知(感情・好み・価値観)を書き換えている”のである。それは自分かどう生きてきたか?また、どう生きたいかを反映している。

1;『国家・権力支配体制』に対して、「同一化(依存・服従)」している人は「国旗国歌」や「靖国神社」に対して感動し、敬意を示す。【権力志向】
2;『国家・権力支配体制』に対して、「独立(自立・反抗)」している人は、「国旗国歌」や「靖国神社」に対して嫌悪し、敵意を示す。【反権力志向】

そして、その自分の行動・価値観・信念を正当化するために「認知を変更」していく。

『国家・権力支配体制』と同一化(依存・服従)しているピラミッド思考の人は、性悪説を主張し、規則ルールや習慣・慣習や礼儀を絶対化し、それを他者に強制しようとする。ピラミッド支配構造の中に他者を閉じ込めようとする。[保守派、ネトウヨ・カルト]

それに対して『国家・権力支配体制』から独立(自立・反抗)しているフラット思考の人は、性善説を主張し、規則ルールや習慣・慣習や礼儀を改革し、自由と平等の社会を作ろうとする。そしてそのピラミッド支配構造を強制する人に対して反抗する。[リベラル派]

『保守派』と『リベラル派』の思考・価値観の違い。

人は自分の行動を正当化するために認知を変更する。

そうして、自分の行動を正当化するために都合の悪いことを見えなくする、また、事実を捏造・改竄・修正することで『認知的不協和』を解消しようとするのである。

そして、お互いに、自分の行動・価値観・主張が正しいと主張する。


『個人差』が生まれる仕組み【脳の構造】

【認知的不協和】が拡大したとき、それを解消するためにどう行動するか?どういう選択をするのか?そこで、人それぞれに『個人差』が出てくる。

そして、その分かれる原因として、【脳の構造】が大いに関係している。

【認知的不協和】が拡大し、「不安・恐怖・不快感・苦痛」が増大したとき、その人の脳内では、行動(欲望・意欲)を司る本能=『線条体』と、思考(葛藤・選択・判断)を司る理性=『帯状回前部・前頭前野外背側部』が活発に働き、その【認知的不協和】を解消しようとする。

そしてその〘本能=線条体(報酬系)〙と〘理性=帯状回前部・前頭前野外背側部(前頭葉)〙の力関係が個性として表れてくる。

前頭葉』と『報酬系』の力関係で「何を選択するか」が決まる。

f:id:kaltochan:20240619001503j:image

「すっぱいブドウ」は本当か?/玉川大学研究所

www.tamagawa.jp

www.jst.go.jp

www.jst.go.jp

同じものを見ても、感動する人もいれば、嫌悪する人もいる。同じテレビ(お笑い)番組を見て、笑う人もいれば、怒る人もいる。人の不幸を見て同情する人もいれば、快感を感じる人もいる。

同じように、人の成功にすぐ嫉妬する人、有名人の行動に怒り出す人、平気で嘘をつく人、失敗してもすぐ他人のせいにする人、批判されたらキレる人、事故を起こしても罪悪感を感じない人など、それらは【脳の構造(働き)】によって決まってくる。

『認知的不協和』が拡大したとき、どう行動するかによってその人の個性が表れる。

例えば、まだ脳(前頭葉・理性)が十分に発達していない子供は、「親に甘えたい。構ってもらいたい。認められたい」という本能・欲望に対して、親の虐待・ネグレクトや過干渉によって、【認知的不協和】を引き起こし、それを解消するために様々な問題行動(非行・いじめ・反抗・癖・病気)となって表れる。

そして、それは大人でも同じようなことが起きている。

例えば、物事を進める上で、

・問題が起きたとき、
・自分の思い通りに行かないとき、
・他者と意見が衝突したとき、
・失敗してしまったとき、

など、【認知的不協和】が拡大したとき、どう行動するのか?

そのことが、『政治的スタンス』の違いとなって表れてくる。

①「自分は間違っていない。他者が悪い」と考える。【他責思考】
②「自分にも責任がある。行動を改めよう」と考える。【自責思考】

①自分の考えに固執し、他の意見を排除しようとする。
②自分の未熟さを自覚し、積極的に他の意見を取り入れる。

①規則ルール、校則など、厳密に取り決め、それを人に強制する。
②ある程度自由に任せる。個性・自主性を尊重する。

①国家権力側に立って批判者・少数者・弱者を叩く。差別する。
②少数者・弱者側に立って国家権力を追及する。反対する。

①「経済成長第一主義」で自然開発・破壊を進める。
②「自然との共生」を掲げ、持続可能社会を目指す。

など

それらの違いはどうして生まれるのだろうか?

 

 

けろっち
twitter https://twitter.com/KaltoChan